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HELLY HANSEN
Learn from the Bonfire

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ゆらゆら揺れる焚き火を最後に見つめたのはいつだろう。
パチパチと薪が燃える音、小さく弾ける火花。
良いものなのはなんとなく知っているけど、
焚き火をしたのはずいぶん昔、なんて人も多いかもしれない。
「焚き火ってそんなに特別なものじゃないですよ」そう言いながら
いとも簡単に火を起こしてみせてくれたのは、
千葉でアウトドアスペース「たき火ヴィレッジ <いの>」を運営する猪野正哉さん。

火の粉や炎に対して耐久性を持たせた難燃素材「PROTEXA®-FR」を用いた
「Anti Flame」を着用して、焚き火のある時間へと案内してくれた。

PART 1

How to Start

焚き火の材料は、すべて森の中にある。
大切なことをいくつか知っていれば、炭や着火剤をスーパーで買い集めたりしなくても良い。
まず集めるのは、乾いた木の枝。細かいものから先に燃えるので、薪を組むときの中心部分に使う。
湿っていても、表面を削れば使える。削りカスもよく燃えるので、焚き火をする場所に向けて削ると良い。
油分を多く含んでいる杉の葉も、大切な燃料だ。

「森の中を歩くときにも、『これは燃えやすそうだな』なんて考えたりして、目線が変わりました。
あとポケットの中に入っていたりする埃も、良い着火剤になるんですよ」(猪野さん)

細かい木の枝でベースを作ったら、そのうえに薪を組んでいく。
空気がまわると火はよく燃える。
そのための薪の組み方にも種類があり、クリスクロスファイヤーや、
今回のようなティピファイヤーなどがある。

皮のついている面がよく燃えるので、内側に向けるようにする。
細かい木の枝に火をつけたら、しばらく待つ。
火種が育ち、薪に火が移って、焚き火が安定していく。

PART 2

Break

せっかく火があるのだから、簡単な料理をするのもひとつの楽しみ方。

「枝を削って串を作り、買ってきた魚をそのまま焼くだけでもおいしい。
春には近くで採った筍を焼くのが最高ですね。秋ならかぼちゃ。
種をくり抜いたところにハチミツをかけて、ホイル焼きにすれば、立派なデザートになりますよ」
(猪野さん)

じっくりと焼きあがるのを待つ時間も料理のスパイスになる。

大きな薪や切り株が手に入って、直火が許される場所ならば、「スウェーデントーチ」も試してみたい。
北欧でよく用いられているスタイルで、切り株と切れ目を入れるための電動ノコギリさえあればできる。
切れ目に杉の葉や細かい枝を入れて着火すると、火が灯る。

日が落ちてきた森の中で、切り株を燃やす炎を眺めながら飲むコーヒーは、いつもより美味いに違いない。

PART 3

Gaze into the Fire

ここ「たき火ヴィレッジ <いの>」は、もともと造園業を営んでいた猪野さんの祖父の土地だそうだ。
幼少期から自然の中で過ごし、焚き火も日常の延長にあった。
よく近所で焚き火もどきをしては、大人に叱られていたそうだ。

「大学浪人中に応募して、しばらく東京でモデルをやっていたんです。
千葉で生まれ育った僕にとっては眩しいくらいの華やかな世界で、
刺激的な毎日にしばらくはこの山のことなんて考える暇もなかったですね」

そんな猪野さんも、都会での生活に疲れてふと立ち止まったときに、自分の原点である山に触れる機会を得る。

「自分がどん底とも言えるような状態だったときに、見かねた友人に誘われて山登りをして、
『いつでも立ち止まっていいんだ』ということに改めて気が付いたんです。
山登りって、文字どおりいつでもその場に立ち止まって良いし、振り返っても良いし、座り込んでも良い。
そして苦しくても登り切れば、また違った景色が見られる。その気づきは自分にとってすごく大きかったですね」

自然の中で過ごす時間を大切にするようになった猪野さん。
自分の身の回りの人にもその魅力を知ってほしいと思い、
祖父の土地を借りて、「たき火ヴィレッジ <いの>」を作った。

「気軽に、森の中で過ごす時間を持ってもらえると良いなって思ったんです。
焚き火を囲んでいると、余計なことをしゃべらなくて良いやって気持ちになるんですよ。
それはすごく楽ですね。
あと僕は、じっと火を眺めている人の顔を眺めるのも好きなんです」。

薪が燃えると、炭のように黒くなって燃え続ける「熾火」の状態になる。
たゆたう火を眺める時間はどこかゆったりとしていて、穏やかだ。

最後の薪が燃え尽きて、火が消えるのを見届けるまで焚き火は続く。

猪野正哉 (いの・まさや)

千葉県千葉市出身。浪人生時代に応募したオーディションに受かり、
「メンズノンノ」専属モデルを2年間務めたのち独立。
ファッション誌を中心に、モデルやライターとして活躍するも、
30歳を越えて活躍のフィールドを徐々にアウトドア業界へと移す。
現在は、実家のある千葉市でアウトドアスペース「たき火ヴィレッジ <いの>」をスタート。

END

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