THE IDENTITY IZUMI SHIOKAWA

「一歩踏み出すための空の服」。それは、着る人の個性に寄り添うようなものでありたい。
さまざまな環境で自分らしく生きる人たち。その"らしさ"はどのようにして生まれたのか。
ありのままの声を届けるインタビュー。

美術大学を卒業後、イラストレーターの道に。

はい。大学はデザイン科で、広告のクラスを取っていたので、どちらかというとグラフィックデザイナーみたいな道に行くと思ってました。でも、卒業制作をしている時にデザイン事務所でお手伝いをしていて、そこで頼まれて展示会の装飾の絵を描いたんです。そのあとに、続けてもう一つ絵のお仕事をいただいて、その時に受けた取材で職業を聞かれて「イラストレーターです」と言わざるを得ない場面があって…そうやって口に出して言った時に初めてイラストレーターになった気がしました。

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それまではイラストは描かれてなかった?

それまでは自分の為だけに描いていました。作家として絵を描いたのはその展示が最初で、絵の雰囲気も今とは違いましたね。小さい頃から絵を書くことは好きだったので、ずっと描いていましたが、それが仕事になるとは思っていなかったんです。

ひょんなきっかけで。

それ以前は絵のタッチもバラバラだったし、スタイルを絞ることも必要としていませんでした。でも、最初の仕事で信頼しているデザイナーさんにそのタッチを褒められて、それでやっていこうと思って。

展示が原点。

はい。今でも、自分の作品を展示することは続けていて、今年の年末にも展示を予定しているんです。仕事の絵を描いている時とまた違う目的があるので面白いですね。個展の時は、仕事で描いている絵から外れていろいろなやり方を試したいと思っています。自分を裏切りれたらいいなと。クライアントがいないので自分への挑戦をする場にしています。そういう試みがないとできることを広げるのが難しくなっていく気がします。

作品のテーマも様々ですよね。

普段からアイディアは言葉から浮かぶことが多くて、タイトルとかテーマ決めを先にして、そこに自分が作りたいイメージを言葉でばーっと書いて、その単語単語に発想のもとみたいなものを探したりとか。大きな枠というのは割と最後に決めて、最初は自分が気になっているを拾い集める感覚です。そうすると今こういう感じが描きたいのだなって分かるんです。長い間ジワジワこんなかな、こんなかな、って考えて、そろそろ書かなきゃいけないな、というときにそれをまとめて、描くって感じですね。

そうなんですね。

描くのは早いんですが、何を描くとかテーマを決めるのに結構時間がかかりますね。なので、普段から日常で気になった文章とか、誰かの会話とか、本を読んでいて気になった単語などをメモしていて、そういう断片が集まってくるとぼんやり輪郭が見えてくるんです。

言葉を集めていく。

はい。普段も時間が許す限りは本を読んでいます。特に、旅行に行く時には本を持っていくようにしていて、何もやることのない移動時間にゆっくり読むのが好きですね。

良い時間ですね。

以前、友人のアーティストと3人で旅をした記録を本にまとめたこともあります。その時はみんなで白いドレスを着て、その国で会った人にそのドレスに絵を書き込んでもらって、旅記憶とともに帰ってくるみたいな。楽しかったですね。最近は、山に行くのもはまっていて、この前は屋久島の山に登ったんですが、すごく大変でした。私は初心者なのでゆっくり登るんですが、早朝から登って、ちょっと下ってテント泊して戻ってくるみたいな。来月は、長野の山に行くんですが、その時にこのアイボリーのシェルを着て行こうと思っているんですよ。

山ブーム。

そうなんです。山の中で眠るのは新鮮でした!山と呼吸が合うような。山登りの経験は浅いですが趣味になりそうな予感がします。今回もNATURE FITNESSのウェブサイトをみて「うぉー!」ってなりました(笑)。やはり仕事柄室内の作業が多いので、外に出たいなと思います。私は長野県出身なんですけど、育った環境のせいか自然の中に行くと体が喜んでいるなと感じます。

東京とは違う。

でも、東京も便利だし、一番色々なものが観れる場所ですよね。映画も美術館もギャラリーもいっぱいあるし、面白い人もいるし。自分がものを作ったり色々吸収したい時は1番いいとこだなと。

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バランスですね。

はい。最近も考えていたことなんですけど、サボってしまうと、絵が全然描けなくなってしまうんです。例えば、絵を描いていてもサボってるって感じる時があるんですけど、それはすごく簡単に答えをだしちゃうとか、いただいた課題に対して自分が1番楽にできる返事をするとか、それが続くと描くのが怖くなるんです。

あえて難しい選択をする。

一番簡単な答えを出し続けていると何もできなくなってしまう感じがします。なので、同じような仕事が来ても前回よりちょっと角度変えてみるとか、なるべく何かに挑戦するように心がけています。課題はあるのに努力をしないで作品を出しちゃうと、それはそれで仕事としては済むんですけど、先がなくなっちゃいそうで。自分も面白く無くなっちゃうので。自分が納得する答えを出すようにしなくちゃな、と常に思っています。

PROFILE

塩川いづみ IZUMI SHIOKAWA

長野県生まれ。東京在住。多摩美術大学グラフィックデザイン科卒。
広告、雑誌、商品などで活動するほか、展示会で作品の発表もしている。
shiokawaizumi.com