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        interview 04

        ヨガやマインドフルネスを通じて
        今ここにある心と体に感謝を

        Mami Kida | 木田まみ

        ヨガインストラクター / Maulea Yoga Studioオーナー

        あたたかな光が差し込むシンプルなスタジオ空間ーー木田まみさんが恵比寿にMaulea Yoga Studioをオープンしたのは2014年。仕事で多忙な日々を送っていた彼女がハワイでの休暇中に初めてヨガを体験し、瞑想を通して本当の自分と出会う感覚を覚えてから、わずか一年後のことだった。「人生の計画の中にヨガはなかった」と笑う木田さんの表情は、凛として穏やか。37歳で乳がんを患った経験から、ピンクリボン運動に参加するなど早期発見の重要性や正しい知識を持つことの大切さも発信している。がんやキャリアチェンジなど、人生における「想定外」を受け入れ、乗り越えてきた彼女に、マインドフルネスとヨガ、自身の体への愛について話を聞いた。

        ―木田さんが教えるマインドフルネスヨガにはどんな特徴があるのでしょうか?

        ”感じる”がキーワードです。一般的なヨガクラスはポーズを完成形に近づけることを目指すので、そのための指示出しや、解剖学的な視点で教えますが、私のクラスでは「感じ方」を大切にしています。「いま筋肉はどうですか?」「関節を感じることはできますか?」「どんな思考や感情になりましたか?」と自分の内側を感じるためのナビゲーションをするので、動きとしては緩く穏やか。また、マインドフルネスのワークの手法のひとつであるジャーナリングを取り入れています。人にシェアするためではなく、空白の紙を目の前にして、心の中に浮かぶことを書き出し、自分の内側に気づくための練習です。

        ―どのようなきっかけでマインドフルネスを実践し始めたのでしょうか?

        ヨガ後の瞑想の時間の精神状態に感銘を受けました。体を動かし、外側に向いた意識の矢印を内側に向け、最後の瞑想の時間でその矢印を開放することで、本来の自分のバランスに戻っていく。その状態がマインドフルだということに、ヨガの実践を通じて気がついたんです。マインドフルネスヨガを続けると、日常生活の中で筋肉や喉の奥の締りなど、自分の心身の状態とその変化に気づけるようになります。生徒さんの中には、自分で自分のことを誤解していたとか、感情が穏やかになってきた、とおっしゃる方もいます。

        -ダンスキンは今後、生理用吸水ショーツも新たに展開予定です。木田さんが実践されているフェムケアはありますか?

        オイルで保湿する膣ケアをしています。生理痛やPMSの原因になる乾燥や冷えが緩和されるようになりました。また、マタニティーヨガと産後ヨガのクラスでは特に、骨盤底筋を意識することを伝えています。骨盤底筋は姿勢を保つインナーマッスルでもあり、安定した出産に必要な筋肉。硬すぎず緩すぎず、しなやかにコントロールできる状態が理想です。子宮の声に耳を傾け、自分の体を理解するよう心がければ、生理の症状で悩んでいる方にも良い変化があるのではないかと思います。

        ―今まで生きてきた中で、インスピレーションを受けた女性はいますか?

        私がヨガとマインドフルネスの師と仰ぐ女性が3人います。彼女たちとの出会いから多くのインスピレーションを受け、大きく人生が変わりました。キャラクターは三者三様ですが、共通しているのは自分を知っていて、取り繕わず、ありのままに生きているという部分。そして、自分と向き合ってきた時間の長さや多くの困難を乗り越えることで身についた、本当の優しさや強さを感じます。

        ―どんなふうに自分の体をいたわっていらっしゃいますか?

        お風呂では、タオルを使わずに手で体を洗うようにしているのですが、体のパーツひとつひとつに触れるたびに労いの気持ちが生まれます。2018年に乳がんを患い、右胸の全摘出と左胸の部分切除を経験したことも大きかったです。今までできていたヨガのポーズができなくなり、これまで積み上げてきたものが崩れてしまったように感じたこともありましたが、手術のリハビリを通して体が一生懸命に生きようとする感覚を知ることができたよい機会でもありました。それまで学んでいた瞑想やヨガ哲学の助けもあり、自分と体に対する感謝の気持ちが生まれました。