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        Workwear Project

        雪のある未来を守るために。
        新幹線直結の一大スノーリゾートが
        始めたコト

        GALA湯沢

        Goldwinはスノーアクティビティに携わる企業に向け、環境配慮型ワークウエアの取り組みをスタートした。大量に廃棄されがちなワークウエアのロングユースと再資源化を促し、廃棄を抑える仕組みを創出しようというこの取り組みでは、雪上で働く人のために開発した機能的かつ快適なワークウエアのレンタルやリペア&メンテナンスサービスを提供する。また、リサイクル可能な素材を採用することで、本来の役目を終えた後は別のアイテムとして再利用する。このワークウエアをいち早く導入した、新潟県湯沢町にある「GALA湯沢」の取り組みをレポートする。

        Edit by PAPERSKY

        新幹線駅直結!アクセスの良さがうれしい「GALA湯沢」

        日本有数の豪雪地として知られる湯沢エリア。急峻な山間には特徴の異なる11のスキー場が点在する。その中で、新幹線駅と直結するスノーリゾートして多くのスキー客を集めるのが、開業33年を迎えた「GALA湯沢」だ。アジアを中心とするインバウンドからファミリー層、日帰りでスノーアクティビティを満喫したいというコア層まで、幅広いスキーヤーを受け入れている。

        パトロールの上村さんが「ぜひ体験してほしい」という下山コース「ファルコン」。絶景を味わいながらのロングクルージングはなんとも爽快

        「GALA湯沢」のゲレンデは中央エリア、北エリア、南エリアの3つに分かれており、標高800メートルを一気に稼ぐゴンドラからそれぞれのエリアへアクセスする。中央エリアはビギナーに最適の練習バーンやのんびりと滑りたい林間コース、上級者を満足させる急斜面などバリエーション豊かなコースがラインナップ。スノーパークや不整地のコブ斜面をも備える北エリア、コンディションの良いパウダースノーが期待でき、オフピステ(非圧雪)のエキサイティングなコースが魅力の南エリアと、各エリアではさまざまなスタイルのライディングを楽しめる。

        あらゆる危険を排除するスキーパトロールの仕事

        「GALA湯沢」のパトロールの朝は、早朝のコース確認から始まる。

        朝7時。始業のミーティングを終え、パトロールたちの長い1日が始まる。スノーモービルに乗ってそれぞれのフィールドに向かう

        「『GALA湯沢』の特徴のひとつが、標高の低いスキー場と明らかに異なる雪質です。この雪質が招く可能性のあるリスクを想定し、コンディションを整えるのが僕たちの仕事。テストスキーで雪庇を落としたり、煙火花火やスノーダンプを駆使して雪崩を誘発し、過剰な雪を落としたり。お客さまが来場する前に全ての危険を排除しておきます」
        そう話すのは、南魚沼市出身の上村一紀さん。今年17年目を迎えるベテランパトロールだ。雪崩が起きやすい地形、コンディション、天気……雪山で培った経験と知識を駆使し、先手先手で対策を行うことがパトロールの仕事の醍醐味だという。
        「たとえば大量降雪があって開けられそうにないエリアがあったとしても、人工的に雪崩を起こし、時にはスノーダンプを使って手作業で雪を落としてコンディションを整え、なんとかオープンにこぎつける。たくさんのスキーヤーがそこを楽しそうに滑っているシーンを目の当たりにできる。そんなことが僕たちのモチベーションになっています」

        GALAパトロール部隊の責任者を務める上村さん。「湯沢町でもスキー人口が減っており、パトロールも常に人手不足です」

        ゲレンデを知り尽くしている上村さんがお勧めするのは、「GALA湯沢」の雪質の良さを体感できる下山コース「ファルコン」。全長2.5km・標高差800mというロングコースは、湯沢町のみならず南魚沼市をも一望する抜群の眺望も特徴だ。
        「アクセスの良さからビギナーが多い『GALA湯沢』ですが、滑りごたえのある『ファルコン』はスノーフリークにも満足していただけます。湯沢町を一望できる眺望で、晴天の滑走の気持ち良さは格別。下山以外でもぜひ、利用していただきたいコースです」

        リフトが稼働する前に全てのコースの整備を終え、お客さまを出迎える

        見えないところでゲレンデを支える索道部

        一方、こちらはリフトの準備やメンテナンスを行う索道部。ここに所属する殖栗(うえぐり)良太さんは、新潟県見附市の出身。もともとスノーボードが好きで「GALA湯沢」のスノーボードスクールで講師を務めていたところ、縁あって「GALA湯沢」の社員となった。
        「お客さまの目につかないところでスキー場を支えているのが索道部です。僕たち社員は、リフトを動かすスタッフがつつがなく業務を行えるよう後方支援を行っています。スキー場ではリフトやゴンドラが動いていて当たり前だと思われるでしょうが、その当たり前を見えないところでサポートする、そこにやりがいを感じています」

        索道とはゴンドラやリフト、ロープウェーなどケーブルで吊るされた運送機関のこと。その保守整備を担い、安全運転を実現するのが索道部だ。
        ゴンドラステーションに設置されたモニターを注視する索道部の殖栗さん

        営業前後にリフト・ゴンドラの整備を行い、安全なスノーライフを守る

        ワークウエアの機能性が、ゲレンデスタッフのパフォーマンスを左右する

        「GALA湯沢」のパトロール部と索道部が着用するのがGoldwinのワークウエアだ。
        「早朝の整備、日中はポールを直したり怪我人の対応を行ったり、夕方は全スキーヤーが下山したことを確認後、圧雪車が入れるようすべてのポールやネットを回収する。パトロールの1日は朝から夕暮れまで動きっぱなしですから、ウエアには快適性、ストレッチ性、動きやすさを求めます。もちろん、保全作業で大汗をかくから通気性は必須だし、ブッシュをかき分けながら作業することも多いので耐久性も必要です」(上村さん)
        導入して2シーズン目を迎えるパトロールウエアは、昨年のダメージがきれいにリペアされ、クリーニングにより撥水性も蘇った状態で戻ってきたことが印象的だったとか。

        昨シーズンから導入されたGoldwinのパトロールウエア

        天候の影響を受けやすいリフトスタッフのウエアは、防水性と保温性、通気性、耐久性、体温調整のしやすさなどが求められる

        一方、索道のスタッフがワークウエアに求める機能は、第一に防水性。雪の中での作業が多いのはもちろん、春にはリフトの上からグリースで汚れた水が落ちてくるから、とにかく防水性がほしい。除雪など外での作業では通気性も必要だ。除雪やリフトの保守作業ではパンツの裾やジャケットの袖口がダメージを受けやすいから、耐久性だって欠かせない。
        「機能的であることはもちろん、スノーアクティビティにまつわる施設として環境に対してできることを常に考えていますから、環境に配慮した造りのウエアであるという点も重要です」(殖栗さん)

        リペアしながら長く使って無駄な廃棄を減らす、リサイクルの意識を持ち資源の有効活用に取り組むなど、「GALA湯沢」では身近なところから環境負荷を減らす試みを模索している。というのも、湯沢町でも1月なのに雨が降ったり、かと思えば災害級のドカ雪に見舞われたりと、ゲレンデで働くスタッフは温暖化の影響を肌で感じているからだ。
        「都心からアクセス至便の『GALA湯沢』がスノーアクティビティの入り口として雪に触れる機会を長く提供し、スキー文化に貢献し続けるためには、この町の自然環境を守っていかなくてはなりません。ワークウエアのロングユースを通じて何ができるかをみんなで考える機会を作れればいいですね」(上村さん)

        スキーヤーたちが楽しい1日を過ごせるのは、「GALA湯沢」の裏側を支えるパトロール&索道スタッフたちのおかげだ

        GALA湯沢が取り組むサスティナビリティ

        「スノーシーズンが年々短くなっているからこそ、環境への取り組みとスキー文化への貢献、来場者を楽しませるコンテンツの充実が課題である」というのは、「GALA湯沢」の本間雅人代表取締役社長だ。
        「環境への取り組みはグループ会社(JR東日本)全体で取り組んでいますが、『GALA湯沢』は気候変動と密接に関わりあうスキー事業を営んでいることもあり、以前からスノーリゾートならではの取り組みを模索していました。現在も照明のLED化、ゴミの分別とリサイクル、省エネ、社用車のハイブリッドカー導入、使い捨てカイロを回収して浄水に生かす『GO GREEN』の導入など、さまざまな取り組みを継続的に進めています」

        コロナ禍に「GALA湯沢」の社長に就任した本間雅人さん

        機能性を追求したミニマルなデザインは、スタッフからも好評だ

        今回のGoldwinとのワークウエアの取り組みでは、廃棄を抑えて資源を有効活用するだけでなく、一つのデザインを長期間に渡って着用することは「GALA湯沢」のイメージ作りにも有効であると考え、プロジェクトの概要を案内するPOPをレストハウス入り口に設置した。こうした取り組みをスノーアクティビティ愛好家に知ってもらうことで、環境課題を身近に感じてほしいからだ。
        「数年前に清涼飲料水の業界で始まった“ボトルtoボトル(食品用の使用済みペットボトルをリサイクルし、新たな食品用ペットボトルに再利用すること)”が当たり前になったように、私たちの業界でも“ウエアtoウエア”を当たり前にする必要があります。今回の取り組みはその第一歩となりますが、『GALA湯沢』を皮切りにこれを全国に広めていきたいですね」

        スキー&スノーボードを永く楽しむために

        「GALA湯沢」ではスキー文化を活性化するためのコンテンツ作りにも余念がない。たとえば「GALA湯沢スキークラブ」に所属するスキーヤー、栗山太樹・未来さんら、トップスキーヤーによるレッスンの実施。レーシングを学べる「フィッシャーレーシングスクール」の開講。インバウンドやファミリー向けにはレンタルギア&ウエアの充実だけでなく、スノーシューツアーやスノーモービルツアー、ムーンバイクツアーなど、スキー未経験者に向けたコンテンツを展開している。

        2022年の全日本スキー技術選女子総合1位の栗山未来選手(左)とオーストリア仕込みのスピードと技術を誇る栗山太樹選手(右)。
        ともにGALA湯沢スキークラブに所属し、幅広い年齢層で楽しめるスキーの普及活動に取り組んでいる

        「スノーシューやスノーモービルで雪遊びに触れてもらい、次なるステップであるスキー、スノーボードへと誘導することがスノースポーツ文化を盛り上げていくことになると考えています。また、アフタースキーもスノーアクティビティの魅力のひとつであることから、施設内にサウナや温泉を併設するだけでなく、レストランも定期的に入れ替え、特徴ある地元食材や食文化をさまざまに提案しています。アクティビティ以外の魅力を合わせて発信することが、結果的にスキー、スノーボードの普及・振興につながるはずです」
        雪のある豊かなライフスタイルを大切にしてきた「GALA湯沢」とGoldwin。雪に培われた文化や資源を守り、次世代へ繋いでいくためにスタートした、サスティナブルな取り組みにご期待ください。

        上越新幹線「ガーラ湯沢」駅直結のスキーセンター、「カワバンガ」。レンタルコーナー、更衣室、レストランほか、温泉施設も擁する

        GALA湯沢
        新潟県南魚沼郡湯沢町湯沢1039-2
        https://gala.co.jp/winter/