家具デザイナーだった父の影響を受けて、建築に幼い頃から興味があった。いい空間は人々に精神的・肉体的にいい影響を与えるんだって父に教わったんだ。だから僕も大学で建築を学び始めた。より実践的なことを授業で学ぶようになった今、あらためて父の言葉について考えるようになった。

家は僕の一番の練習場所だ。いい空間を作るためには、どんな物があるべき？どんなレイアウトが適している？整理整頓をきちんとすることだって重要なことだよ。頭と心をフレッシュな状態に保つためには、部屋が散らかっていたらだめだ。自分が最もリラックスできる空間をデザインして、それをきちんと保つことで、やるべきことが明確になる。

レースに出るほど自転車が好きで、ヴィンテージのフレームやパーツをマーケットに探しに行くこともよくある。基本的に移動は全て自転車でするんだけど、ロンドンにはいい建築物が沢山あるから街を眺めながら移動しているだけでも、学べることは沢山あるんだ。

大学で建築について学んでいた。沢山の優れた建築物を見て、多くの有名な建築家たちを知ったけど、僕が最も興味を持ったのは建築物じゃなかった。建築物の多くは、目的を持って建てられて、そこに人が集まる。人が集まる場所に流れる空気感が僕にとっては重要なんだ。いい雰囲気を作るためには、適切な場所と適切な音楽が必要だと思っている。

DJとしてみんなの前で音楽をながす時、僕は事前に準備をしない。その時に必要な音楽は、その時になるまでわからない。自分の好みを主張するのがDJの役割じゃないんだ。僕のエネルギー、熱量を音に乗せると、オーディエンスもそれに反応してくれる。音で対話をするんだよ。

美術館や展示会に行ってゆっくりとその場所を観察し、考える。なぜここにはいい空気感が流れているのか。空気感というのは単純なものじゃない。美しい場所なだけではだめだ。場所、そこにいる人たち、音楽、その他にもさまざまな要因がある。僕がデザインできるのはその場所に流れている音だからそれが常にいい空間になる為に作用する要素でありたい。

私が最も心を惹かれるのは、相反するふたつの要素が重なり合う瞬間です。私の過去の写真作品の中にも、この私の美意識は散見できるはずです。古いものと新しいもの、光と影。その要素が一枚の写真の中で並列された時、その写真は私にとってとても特別なものになります。

今は写真を撮るという行為がとてもハードルの低いものになりました。昔は重い機材を持って移動しないと写真が撮れませんでしたが、今は私もiPhoneで写真をよく撮ります。特別な瞬間は準備している時に訪れるとは限りません。そんな瞬間をカジュアルに切り取れるので、これまでの写真撮影とは違う面白さがあります。

Vauxhallは私の好きな街のひとつです。昔はここでよく夜遊びをしました。ロンドンらしい煉瓦造りの建物と新しい高層ビルが混在しているのがこの街の特徴です。この公園は特にお気に入りの場所。緑が豊かな公園ですが、ふと視線をあげると自然と古くからある建物、そしてギラっとした光を放つ高層ビルがひとつの風景の中で重なりあいます。こういう美しい光景をいつだって探しているんです。

人は誰しも穏やかでゆったりと過ごす平和な時間が必要です。朝起きて窓を開けて深呼吸する。音楽をかけて本を読んだり、友達と食事をする。私の創作活動は、そういった安心できる生活の上にこそ成り立つ行為です。

私の作品は、クィアコミュニティの友人たちの社会との戦いや、私たちに今でも課せられている制限からインスピレーションを受けています。でもそれを直接的ではなく、抽象化して表現するためには、自分の中でインスピレーションを消化する必要があるんです。

一部攻撃的にならざるを得ないテーマをインスピレーションとするとき、それを自分の中で消化するためには、いつも通りの平穏な日常生活をしっかりと送ることが重要だと思っています。心をいつも安定させておくことで、テーマについてより深く向き合い、私なりの方法で表現することができるんです。