待ち望んだウィンターシーズン。今年は誰と、どこへ行き、どんな景色に出会い、どんな感覚を得ることができるだろうか。今回は、ニセコを拠点とする3人が、同じくニセコを中心に活動する写真家・映像作家とともに北海道各地に赴き、それぞれの場所での自然との向き合い方を切り取った。肌に一番近い場所で身に纏うのは、icebreakerのメリノウール。ニュージーランドの寒暖差の激しい過酷な高地で育まれた、その天然繊維は温度調節や湿度管理、着心地などに優れ、さらにレイヤリングでより効果を発揮する。自然を着て、自然へと向かう。icebreakerのNATURAL PERFORMANCE LAYERINGは、そこで得られるすべての心地良さを支えます。
NATURAL PERFORMANCE LAYERING HOKKAIDO WINTER 2021 - 2022
With
Snowboard / Winter Surfing
Josh Sellens
ニュージーランド・クイーンズタウン出身。北海道、主にニセコで山岳ガイドやバックカントリーツアーのガイドを提供する「NISEKO ZEN」を運営。
Ski Touring / Spring Powder Skiing
/ Winter Camp & Wild Onsen
Philip John Howell
イギリス・リバプール出身。北海道のニセコエリアでスキーインストラクターとガイドとして活動。
Ski Touring / Spring Powder Skiing
/ Indoor
Nina Keysberg
ドイツ出身。ニセコを拠点にスキーのインストラクター、またスキーのインストラクターのコーチも行う。
Photographer / Cinematographer
嶋貫泰至Yasuyuki Shimanuki
BLAU production代表。1980年生まれ。北海道出身、ニセコ在住フリーランスフォトグラファー兼シネマトグラファー。幼少期に設計士の叔父の影響で高校・大学では建築を専攻。その後2年間、イギリスの大学院にてPgDipを取得し建築やアートを学ぶ。19歳の時にニュージーランドでワーキングホリデーの旅を通じ英語や海外文化を学び、ニュージーランドの原始的な自然に魅了され独学で写真を始める。現在は、ニセコを拠点に、国内国外問わず、スキー写真・映像撮影を中心に活動している。
CONTENTS
SNOWBOARD
羊蹄山 with Josh Sellens
「羊蹄山やニセコ連峰に囲まれたこの特別な冬の環境に憧れ住むことを決めました。山へのアクセスも容易で雪質も最高です。ニセコでスキーやスノーボードを経験したら、他の場所では満足できないでしょうね。温泉があることも、ここでのスキーを本当に素晴らしいものにしています。毎日毎日、温泉に入って体力を回復することができます」
ー Josh Sellens
「冬の羊蹄山にはよく行きます。1シーズンで15回から20回、そのうち山頂までは5回から10回ぐらい登ります。羊蹄山の天候を読むのは難しく、山頂に行ける日は限られていますが、チャレンジする価値はあります。羊蹄山ではできるだけ多くの新しいラインを滑りたいと思っていますし、山全体にはたくさんの沢があるので、そのすべてを滑りたい。それにはあと数年かかりますね。1,500m付近を超えると、自分が実際に高いところにいることを実感できますし、山頂からは海が見え、見晴らしがいいと両側に日本海と太平洋を見渡せます。晴れた日に山頂に立つと、とても壮観です。自分が住んでいる場所で一番高い山に登ることは、自分が住んでいる地域のスケールを実感するための最良の方法だと思います」
ー Josh Sellens
新雪と森のシャドーラインが創り出す空間はいつも幻想的で、どんどんハイクスピードを上げていくJoshの後ろにはフレッシュなトレースが描かれていく。気温は低めだが、ベースレイヤーでのハイクがとても気持ち良い。2合目のあたりからニセコアンヌプリを一望できる尾根上をハイク。それからは一気に1000m付近までノンストップ。気温も−5度前後と低くなり、ミッドレイヤー、そしてシェルジャケットを着る。標高を上げるとともに、パウダーの下はアイスレイヤーに変化していた。.....
ー Yasuyuki Shimanuki
WINTER SURFING
日本海 with Josh Sellens
「カイトサーフィンは、15〜16歳の頃に始めて、それから長い間続けていました。ニセコは山岳エリアだけではなく、海にも近い、どの方向に向かっても車で1時間ほどで海に到着します。条件が揃っているので、3~4年前にサーフィンを始めました。冬にサーフィンをするのもまだ経験は浅いですが、とても気に入っています。冬のサーフィンは、夏のサーフィンとは大きく異なります。それほど波も大きくなく、コンディションもそれほど悪い状態ではなくても、水の温度が3度や4度になると、より多くの集中力が必要になります。パドリングという肉体的な挑戦だけではなく、脳がフリーズしないようにするための精神的な挑戦でもあります」
ー Josh Sellens
「本当に印象的なのは、海面レベルであれだけの雪が積もることです。たまに膝までの深さのパウダースノーをこいで海に入る状況に慣れることはなく、毎回驚いています。雪が降っているときに波間で波待ちしていると、いつも特別な感じがします。寒さは慣れてしまえば、あまり気にならないと思います。吹雪の中で波待ちしていると遠くが見えなくて視界が悪いけど、水中なのに、吹雪の中に座っている感覚は、とても気持ちが良いことがあります。何と表現したらわからないのですが、信じられないようなユニークな体験で、このようなことができる場所は多くはありません。大抵の人はクレイジーだと思うでしょうね。でも、良いウエットスーツを着ていれば大丈夫です」
ー Josh Sellens
日本海側のサーフスポットは波のコンディションを読むのがとても難しく、Joshは先にスポットのチェックに向かい、状況を報告してくれた。1日目。ウィンターサーフィンの撮影は初めてのことで、到着した時の印象、雪山と雪の積もった砂浜、高波、そしてフル装備でサーフィンをする光景には驚かされた。Joshは先に海に入っていたので、数人のサーファーの中から探し出すのはかなり難しかった。気温は0度、強風、夕陽が沈むゴールデンアワー。コンディションが合えば、午前はスノーボード、午後はウィンターサーフィンも可能なニセコのライフスタイル。.....
ー Yasuyuki Shimanuki
SKI TOURING
上富良野 with Philip John Howell & Nina Keysberg
「初日は天気が良く、一日中晴れていました。雪は春の雪質で表面は柔らかく、下の層は硬めでしたが最高でした。実はこの十勝岳エリアには何度も訪れたことがあり、このエリアの山々は本当に美しく、ドラマチックで、息を呑むような風景が広がっています。そして景色が素晴らしいだけでなく、バックカントリースキーの選択肢も多く、それがこのエリアが好きで訪れる理由のひとつだと思います」
ー Philip John Howell
「私にとっては北海道の中央部でスキーをするのは初めてのことでした。景色も山も大きく美しくて、これまで日本では見たことがないような素晴らしいものでした。ヨーロッパのアルプスを思い起こさせる、とても美しい景色でした。また、初日は素晴らしい天気だったので、山全体を見渡すことができ、火山の蒸気も見ることができました」
ー Nina Keysberg
大雪山系十勝岳連峰を望む富良野からドライブし、上富良野へ。1週間以上前からローカルからの天気情報を確認していたが、やはり現地へ行ってみないと最終判断はできないのがバックカントリースキー。スタートポイントへ到着し、斜面をチェック。数日前に積雪があったが、寒暖の差が激しい春、北側以外は全て表面は凍っているか、パックアイスの状態(硬いざらめ雪)だったので、運が良ければ滑れそうな北側の斜面を狙うことに決めた。.....
ー Yasuyuki Shimanuki
PRODUCTS
SPRING POWDER SKIING
旭岳 with Philip John Howell & Nina Keysberg
「スキーツーリングでの心構えは、私の人生観と同じだと思いますが、人生そのものが儚いものだということです。だからこそ、今日という日を楽しみたいと思っています。スキーは、その瞬間を楽しむための私の手段です。もちろん、山に行ってスキーをするのは大好きですが、なぜ好きなのかを考えると、しばらく山を歩いて滑ってということをしていると、心が静まり、突然周囲の環境とつながったクリアな感覚になることができるからです。それを追い求めているのだと思います」
ー Philip John Howell
「私のスキーツーリングに対する考え方は、その瞬間に身を置くことです。この場にいて、周りにあるものを楽しみ、どこに行こうかとか、どれくらい時間がかかるかなど、あまり考えないことです。今自分がしていることをそのまま楽しむ。そうすると、その状況ををより楽しめるようになります。スキーは私にとって純粋な喜びです。スキーをしているとすぐに顔に笑みが浮かびます。だから、スキーをしているといつもとても幸せな気分になります」
ー Nina Keysberg
上富良野から旭岳へ移動、途中東川町で食事をしてから温泉宿「湧駒荘」へ。温泉で体の疲れを癒やし、前日の降雪に期待して春のパウダースノーを狙う。日本の百名山にも選ばれている旭岳のロープウェイに乗り、1,600m付近の姿見駅から1本目を滑り、雪のコンディションをチェック。雪質は、20cmのパウダースノーの上に凍った層があり、さらに薄らとパウダースノーが積もっている状態で、PhilもNinaも1本目はかなり苦戦していた。.....
ー Yasuyuki Shimanuki
INDOOR
旭岳温泉「湯元 湧駒荘」 with Nina Keysberg
「私は寒がりなので、何枚も重ねて暖かい服を着ます。いつでも脱ぐことができるので寒すぎるよりも暑すぎる方が好きです。スキーツアーで私が着ていたicebreakerのミッドレイヤーは、晴れた日にたくさんの汗をかいていましたが、暑すぎずその状況にぴったりでした。同じレイヤーを雪が降っていた寒い日に着ていたのですが、暖かさを保ってくれました。インドアでもとても快適でした。冬に自宅で過ごす時も同じようにしています」
ー Nina Keysberg
PRODUCTS
WINTER CAMP & WILD ONSEN
上富良野 with Philip John Howell
「その日に着るものを選ぶために、私はいつも天気をチェックします。気温や風など、事実に基づいた情報が必要だと思うからです。でも、誰と一緒にいるか、何をするかによっても変わってきます。何が起こるかわからないからこそ、万全の準備をして臨みます。スキーツアーでは、icebreakerのアイテムはとても暖かくて快適で、通気性もあるのでオーバーヒートしないことが多いです。厚みが違うので、その日の気分に合わせて着ることができます。着ているときに気にならないということは、良い仕事をしているということです。キャンプの時もテントの中で寝転んでいるとき、袖を下ろすと本当に心地良くて暖かいんです。寝るときもそれを実感できます」
ー Philip John Howell
PRODUCTS
ニセコの3月、
羊蹄山の森林限界付近まで登ると、
そこには岳樺の樹氷の世界が広がっていた。
その空間を創り出す、
光と影、人と自然のコントラスト。
稜線にトレースを刻み、
一歩一歩が自然と自分との駆け引きだ。
人が無心になる瞬間、
自然の一部となる。
ー Yasuyuki Shimanuki