Japan Long Trail Walker by PAPERSKY vol.1
macpacと旅する、高知・梼原町 深呼吸する散策道へ出かけよう
2024年6月20日(木)
トラベルライフスタイルマガジン『PAPERSKY』の編集長、ルーカスB.B.がmacpacを背負って向かったのは、高知県の西部、愛媛県との県境に位置する梼原町。町の面積の91%を森林が覆うこの町に、素晴らしいトレイルがあると聞きつけたから。そのトレイルとは、かつて坂本龍馬が維新という夢を抱いて歩いた「維新の道」。懐の深い森のなか、幕末から現在へと続く時の流れを感じながらハイキングできる、というわけだ。
坂本龍馬が歩いた歴史の道
「脱藩の道」ともいわれる「維新の道」は、坂本龍馬が土佐藩脱藩を決意し、高知城下にある自宅から長州(山口県)の下関へ向かった際に歩いたルートのことをいう。1862年の春、自宅を出発した翌日、梼原に到着した龍馬は“勤王の志士”那須俊平・信吾親子の自宅を訪れ、ここに一泊。翌日、親子の案内で伊予(愛媛県)へ通じる宮野々番所と松ヶ峠番所を通過し、韮ヶ峠を越えて伊予に脱藩した……というのが龍馬の足跡だ。実際に龍馬が取ったルートについては諸説あるけれど、今回はこの韮ヶ峠越えを歩くことにする。
那須親子邸の跡地から韮ヶ峠までの道中には、龍馬らと同じ志をもつ吉村虎太郎、掛橋和泉ら八志士の銅像が建つ「維新の門」や掛橋邸、藩政時代から残る茶堂などの史跡が次々と現れ、ハイキングに加えて歴史を辿るおもしろさも味わえる。韮ヶ峠越えの見どころは『PAPERSKY』本誌をご覧いただくとして、ここでは“森の町”を歩くもうひとつのハイライトをご紹介しよう。
セラピーロードで、森のパワーを再発見
『日本書記』に「素戔嗚尊(スサノオノミコト)が自らの体毛からさまざまな木を作り出し、その種を日本各地に蒔いた」という一説があるように、古来、日本人の暮らしに森は欠かせないものだった。森がもたらす恵みは、あるときは信仰の対象に、あるときはエネルギーや建材、生活の道具となり、ときに生物を癒す不思議な力となってきた。私たちは森に生かされ、森とともに生きてきた――そう実感させられるのが、梼原町に整備されている「セラピーロード」だ。
森の中を歩いていたら心と体がふわっと解放されたような、そんな心地よさを感じた経験はないだろうか?これは、木漏れ日や自然の色彩といった視覚的な効果、鳥のさえずりや葉が風に揺れる音などの聴覚的効果、植物が放つ香気成分(フィトンチップ)が脳に働きかける効果……さまざまな森の癒し効果のおかげという。このような癒し効果が生理・心理実験によって実証され、森林浴に適していると認定された自然歩道が「セラピーロード」だ。梼原町内には2本のセラピーロードが整備されており、それぞれのセラピーロードでは、健康増進やリラックスを目的とした体験プログラムやローカルガイドの提供が行われている。
そのうちの一つ、「久保谷セラピーロード」は梼原町の中心部から約25km南下したエリアにある、全長およそ3kmの散策道。約90年前に作られた、水田へ水を引き込む水路に沿って設けられているのだが、これは地域住民が力を合わせ、間伐や昔の生活道の整備を行って完成したものだとか。足元はふかふかの苔、水路の水は限りなく透明できらきらと輝き、周辺の原生林を見渡せば、樹齢100年を越すモミやツガが素晴らしい景観を織りなしている。なかには樹齢500年のアカガシもあるそうで、認定ガイドを手配すればこうした見どころを案内してもらえる。
水辺で、原生林のトレイルで。タフに使えるmacpac
梼原町のハイキングに持って行ったのが、ニュージーランドのアウトドアフィールドで生まれたmacpacのギアだ。タフ&シビアな環境での使用を考えて作られており、日本のロングトレイル歩きはもちろん、水辺の散策にもぴったり。高密度に織り上げられたmacpacオリジナルの生地AzTec®️Ecoは、耐久性が高いうえ、ワックス樹脂で耐水加工が施されているので水濡れを気にせずガンガン使える。今回の旅では、誕生当時のクラシックなデザインを踏襲した「Gecko」とシンプルな一気室のデイパック「Kauri」に、それぞれ別売りのショルダーポーチ「Trek Musette」と「Trek Shoulder M」を組み合わせて使ってみた。アウトドア愛好家や筋金入りのハイカーたちに支持されているバックパックの使い勝手はいわずもがな、地図やカメラ、行動食など、行動中に取り出したいものを収納できるショルダーポーチが活躍した。とくに、付属のクリップ式チェストストラップをバックパックのショルダーストラップに固定できる「Trek Shoulder M」は、前屈みになってもバタつかず、行動中のブレを抑えることができる優れもの。単体でもいいけれど、バックパックとのセット使いがおすすめだ。
ロングトレイルハイキングの醍醐味が、自然歩道の散策と街歩きを自在に行き来するところにあるとすれば、そこで求められるのはアウトドアユースの高い機能性とタウン仕様のデザインのハイブリッドといえるだろう。けれどもハイカーの心を打つのは、デザインや性能に加え、macpacが理念に掲げるロングライフへの思いではないだろうか。1973年、macpacは他に先駆けてサステナブルの概念に則ったものづくりをスタートした。コットンとポリエステルを混紡した素材を使うのは、修繕しながら長く使い続けられるうえ、石油由来素材に比べて環境負荷を低減できるから。耐水性を高めるためにワックス加工を施しているのは、一般的なウレタンコーティング加工は経年劣化による剥離を引き起こし、長もちしないから。このようなものづくりへの思いは、創業から50年経った現在も変わらず生き続けている。
自分たちが愛するフィールドに出かけるときは、自然への敬意を感じられるギアやウエアを身に付けたいと考えているアウトドア愛好家は少なくない。大切なトレイルをいつまでも守り続けたいと願うハイカーにとって、macpacのギアは頼もしい選択肢の一つといえるだろう。
自分たちが愛するフィールドに出かけるときは、自然への敬意を感じられるギアやウエアを身に付けたいと考えているアウトドア愛好家は少なくない。大切なトレイルをいつまでも守り続けたいと願うハイカーにとって、macpacのギアは頼もしい選択肢の一つといえるだろう。
〈太郎川公園(ゆすはらキャンプ場)〉高知県高岡郡梼原町太郎川3799-3
〈久保谷セラピーロード〉高知県高岡郡梼原町松原〜久保谷
〈森のパン工房 chez-moi (シェ・ムワ)〉高知県高岡郡梼原町松原401
〈Wayfarer Brewing Company〉高知県南国市国分1278-1
【今回使用しているアイテム】
Gecko ゲッコ (color:RS)
MM72301
Trek Musette トレックミュゼット (color :RS)
MM81911
Kauri カウリ (color:AB)
MM72302
Trek Shoulder M トレックショルダーM (color :AB)
MM82401
Crescent Porch M クレセントポーチM (color :AB)
MM92401
Crescent Porch S クレセントポーチS (color :RS)
MM92400
〈久保谷セラピーロード〉高知県高岡郡梼原町松原〜久保谷
〈森のパン工房 chez-moi (シェ・ムワ)〉高知県高岡郡梼原町松原401
〈Wayfarer Brewing Company〉高知県南国市国分1278-1
【今回使用しているアイテム】
Gecko ゲッコ (color:RS)
MM72301
Trek Musette トレックミュゼット (color :RS)
MM81911
Kauri カウリ (color:AB)
MM72302
Trek Shoulder M トレックショルダーM (color :AB)
MM82401
Crescent Porch M クレセントポーチM (color :AB)
MM92401
Crescent Porch S クレセントポーチS (color :RS)
MM92400
〈PAPERSKY〉Japan Long Trail Walker PAPERSKYバージョンはこちらから
Text : Ryoko Kuraishi
Photo : Yasuyuki Takagi