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        “I AM AN ATHLETE” 2021 SPRING-SUMMER
        “VENTILATION”
        • PROFILE
        • 尾上右近 / UKON ONOE 現在躍進中の若手花形歌舞伎役者。曽祖父は六代目尾上菊五郎。母方の祖父は鶴田浩二。 2000年4月歌舞伎座にて『舞鶴雪月花』の松虫で初舞台。2005年1月新橋演舞場にて二代目尾上右近を襲名。2018年1月には七代目清元栄寿太夫を襲名。 2020年12月京都南座『吉例顔見世興行』の『末広がり』で役者として、『吉田屋』で清元の唄方として出演。 異例である両輪の活動を続け、2021年1月には『義経千本桜』『吉野山』『四の切』で狐忠信を好演。本年5月歌舞伎座で『三人吉三』のお嬢吉三を勤める。 NHK-FM『KABUKI TUNE』のラジオパーソナリティや、大河ドラマ『青天を衝け』、映画『燃えよ剣』に出演を果たすなど多彩な活躍を見せている。 今夏は赤坂ACTシアターほかでミュージカル『衛生』に出演予定。
        INTERVIEW

        UKON ONOE

        KABUKI ACTOR

        とことんカラダを酷使して、
        お客さんを喜ばせたい

        7歳で歌舞伎座の初舞台に立ち、スーパー歌舞伎Ⅱ『ワンピース』では、市川猿之助とのダブル主演を務めるなど、名実ともに歌舞伎界の新星である、二代目 尾上右近。 幼少から舞台に立ち続ける彼は、アスリートとして、どのように自分のカラダをケアし、コントロールしているのか。

        • 歌舞伎の役に立てていると感じる瞬間が、
          自分の力になる

          歌舞伎の先人たちが遺してきた役柄の表現の仕方を型(かた)と言います。先輩たちに教わった通りに、そうした型を踏襲し、現代に生きる自分の感覚、お客さんに対する気持ちなどを込めて、舞台に上がる。それをお客様が観にきてくれて、反応して、感動してくれている姿というのは、自分の力以上に、歌舞伎の力を感じる瞬間です。

          自分が歌舞伎役者の一員として、歌舞伎の役に立てていると感じる瞬間に、歌舞伎をやっていてよかったなと思います。自分一人の力だけじゃない瞬間というのが、何よりも自分の力になるという不思議な循環の仕方があるんですね。

        • 与えてもらったカラダへの感謝を忘れない

          カラダのメンテナンスというのは、正直に言って、追いつかないんです。稽古や舞台は毎日やることなので、調子の悪い状態でも、良い時の状態に持っていける別の方法をみつけるようにしています。必ず毎日同じコンディションでやっているかのように見える、自分のメンタルの持っていき方。それはお客さんを楽しませるということと、自分が好きでやってる仕事をできている喜びを忘れないことだと思うんです。

          最近は、カラダに感謝するようにしています。限界まで負荷をかけることは、ある意味カラダの声を無視していること。なので、一通り仕事が終わった後に、カラダには「ありがとな!」って言っています(笑)。それは両親に感謝っていうことでもあるんですよね。

          でも、この丈夫なカラダがある以上は、とことんカラダを駆使して、酷使して、お客様を喜ばせたい。歌舞伎役者をやっている自分の地位、意味、充実感を獲得したいという気持ちがすごくあります。

        • 何事にも囚われないことが目標

          夢は、夢を見続けること。目標というのは正直に言って特にありません。目標を達成したら終わっちゃうんじゃないかという不安の方が大きい。何事にも囚われないというのが、目標であり、夢かもしれないですね。

          あるべき姿のために戦い続けて、成り行きに身を任せるというのが、一番目指すところですね。

        OTHER ATHLETES