NEUTRALISM – 34

皆さんは普段からアート鑑賞をしていますか？ コロナ以降、全く美術館に足を運んでいなかった私。久しぶりに、LAで1番好きな美術館「Getty Center Museum（ゲッティ―センターミュージアム）」に行ってきました。アートの事は詳しく分からないけれど、美術館で数時間を過ごしたあと、何だかココロもカラダも元気でハッピーになったのを実感！普段からウェルネスを追求している私としては、調べずにはいられず… すると、どうやら最近では「アートセラピー」という自然治癒法があるほど、私達のウェルビーングとアートには、密接な関係があるようなのです。そこで今回は、「アートとウェルネス」についてお話したいと思います。

CHAPTER
01　アートとウェルビーング
02　五感で「感じる」
03　Life is ART !

今回お邪魔したGetty Center Museumは、LA空港から車で北に20分ほどの高い丘の上にある、敷地・建物・景色・お庭・コレクション全てが素晴らしいミュージアムで、何と入場料無料！特にアート好きじゃない人でも、家族連れでも、十分楽しめる施設なのでLAにいらした際はオススメな美術館です。
ここで、「美術館とウェルビーング？」と思った方は少なくないはず。ウェルビーングを考えた時、先ずはクリーンな食事を心がけたり、運動を習慣化したりする事が頭に浮かびますよね？よほどのアート好きじゃないと、なかなか「アート鑑賞でセルフケアしよう！」とは考えないも普通のことと思います。
ですが、実は近年「アートは脳に良い影響を与える」という研究結果が多数発表されているのです！

現代人は常に何かを考えながら暮らしていて、左脳ばかりを使ってしまっているため、交感神経過多な傾向にあるそう。多くの人が日頃感じている疲労感やストレスは、それが原因なケースが多いのだとか。でもご安心を！アートを「観る」事で右脳を活性化して、脳のバランスが整うのです。それだけでなく、同時に脳内では幸せホルモンが分泌され、自律神経にも作用。ストレスを抱えていれば副交感神経をオンにして解消し、刺激が少ない生活であれば交感神経に刺激を与えてニュートラルに。実はアートって、精神を安定させてくれる、ココロの栄養剤みたいでしょう？

右脳を活性化してバランスを整えるのに重要なのが「五感」。右脳の役割である色彩・空間感覚・直観など、私達に備わる「五感」を使って感じ取る事が大切です。私自身、今回ミュージアムへ実際に足を運んで「感じた」ことで、アート＝ウェルネスを体験したと実感。やはり実際の現場には、本やネットからは感じ取れない色合い・質感・空気感・明かり・温度・音・香りが存在しています。

美術館に行くと、全く想像もしていなかったアートに出会ったり、見た事がある絵だけれど、小さなディテールを発見したり質感に驚いたり、ネット検索では得られない感覚をたくさん体感する事ができます。このように、未知の文化や価値観に触れることで、五感が研ぎ澄まされ、人を「人らしく」する想像力や感性が磨かれるように感じます。アート鑑賞は「私達らしさ」を元気にするトレーニングかも。

いまだかつてないほどの情報量を処理しながら今を生きる私達ですが、逆に五感を刺激される機会は減り続けている様に思います。思えば殆どの情報は間接的。直接に物事を感じることで、初めて五感が使われるのだと、今回の美術館で学んだ私。
そして、洞窟に絵を描きだした古代から、人の歴史に登場してきた「アート」。この言葉が生まれる前から、表現されたものを五感で読み取ってきた人間。この感性こそが、そもそもの「人らしさ」なのでしょうね。
人の五感は色・味・温度・質感・音・光・香などを、それぞれの感性で理解します。もしも人間が、利便性や実用性ばかりを追求する生き物であれば、私達はみんな同じ色を選んで、同じ服を着て同じ家具の部屋に住んでいるはず。だけど私達は、ずっと昔から五感を鍛え、アートと共にカラフルに生きてきたわけで。やっぱり人間は、多様性や独創性を求める生き物なのだ！と思うのです。
Life is ART! 人生もアートの様に、遊び心満載で、カラフルに生きたいものです。皆さんも今度のお休みは「アートを“感じる”セルフケア」、試してみてはいかがですか？

Photos by: SSNRS