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        NEUTRALISM - 40
        「間」を楽しむメディテーション

        NEUTRALISM
        お茶をたてる女性
        LA在住のNeutralist(ニュートラリスト)ローズが、様々な角度からニュートラルに生きるヒントを紹介するメディア “NEUTRALISM”。
        ココロとカラダがニュートラルであること = いつでも動き出せる”READY”な状態でいるために、自分に合う「ISM=行動、状態」を探っていきます。
        運動や食事、快適で健康的な暮らし方が息づくLAカルチャーも紹介。
        Slow Down
        「間」を楽しむメディテーション
        季節は秋。肌寒い日が増えてくるこの時期は、温かいお茶で「ホッ」と一息したくなります。アメリカでも日本茶はスーパーフードの 1 つとして数年前から認知され、今ではローカルのスーパーやコンビニで、日本国内でよく見るペットボトルの日本茶が普通に買えるようになりました。 ところがこの日本茶ブームに少し変化が。というのも、出来上がったお茶やティーバッグでは無く、“茶葉から淹れるお茶”が最近 LA で流行り始めているのです。思うに、この新しいトレンドは“お茶”の域を超えて、人々がお茶文化に、少しメディテーション的な魅力を感じ始めているからなのかも。そこで今回は、そんな「お茶」に関するお話です。
        集合写真
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        世界が注⽬する “茶の間”
        どうも最近のお茶ブームが気になっていたタイミングで、ラッキーな事に京都からお茶のエキスパート達が渡米。彼等の目的は、サンフランシスコにあるセラミック食器の老舗「HEATH」でのワークショップだったので、迷わず同行させてもらう事に! 平安時代から続く京金網の技術を今に伝える、金網つじ 2 代目の辻徹さん(上写真左)。350 年も続くお茶園と共に完全無農薬の日本茶を世界に提供する IMA Kyoto の創設者、松本綾さん(上写真中央)。明治8 年から茶筒を作っている開化堂の 6 代目、八木隆裕さん(上写真右)。この 3 人に共通するのは、“お茶”そして“手作業”。
        ワークショップ
        サンフラシスコ郊外から 1 時間かけて参加した方もいたほど、ワークショップは大盛況。
        ワークショップ
        お着物を着た綾さん。ワークショップは本格的です。
        彼等のワークショップには沢山の方が参加。皆さん、紹介される商品そのものだけでは無く、彼等の伝える日本的な“感覚”や文化に興味津々。最近の新たなお茶ブームも同様、やはり海外の人達は今、“お茶”と“茶器”、そして“お茶を淹れる”という行動に“禅”を感じ、言わばメディテーション的要素を感じている様なのです。
        実際に、お茶を淹れる時間って、スローダウンしますよね。お湯を注ぎ、茶葉が開くの待つ。ゆっくりとした時間。温かいお茶を少しずついただき、「ほっ」と一息つく。この、余白の「間」を楽しむという感覚こそ、忙しい現代を生きる人達が、今また“お茶”に注目している理由なのかも。
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        「間」がつくるココロの余裕
        この「間」を楽しむという感覚は、古き良き日本的なもの。お茶をはじめ、夏に風鈴の音を聞いたり、ゆっくり湯船に浸かったり、日本には「間」を楽しむ風習が日常的にあります。時間と手間をかけて作られる日本料理にも見られるように、日本文化は“時間をかける”ということの大切さを知っている様に思います。
        西洋文化は基本的に「間」という時間を埋めたい文化。そして現代は東洋問わず、スマートフォンやインターネットが、忙しい私達のほんの少しの「間」すらも埋め尽くしています。意図的にスローダウンしないと、私達のマインドは動きっぱなし。常にオンな状態は、呼吸が浅く、ストレスも高め、ココロに余裕が無くなりがちです。
        ワークショップ
        いつだってオーディエンスを上手にとらえて、楽しくワークショップを進行するお 2 人。
        京都の皆さんのワークショップで、いつも驚くのは彼等の安定したテンポ。初めての地で、初めて会う人達に、慣れない英語で話をしても、会話や動作のリズムが乱れず安定しています。オンの時もオフも、国内でも海外でも、常にニュートラルなテンポを保つ彼等。 これはきっと、常日頃から1つ1つの手作業に五感を研ぎ澄まし、先急ぐことなく、あえて時間のかかる事に向き合い、その一瞬一瞬の「間」を常に噛みしめているから。「間」を楽しめることで、ココロに余裕が生まれる。そんなココロの余裕が、どんな状況に身を置いても、彼等が安定したテンポを保てる秘訣なのかもしれません。
        ワークショップ
        手の感覚のみで、お茶筒の密封具合をチェックする八木さん。真の職人技です。
        ワークショップ
        開化堂で実際に使われている工具です。左が新しいもの。右は 4 代目から使われているもの。使っていくうちに小さくなったのだそう!
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        Slow Down
        物事が便利になればなるほど、私達はより沢山を 1 日の中に詰め込もうとして、ほんの少しの「間」ですら楽しめなくなっている気がします。起きている間ほとんどの時間、私達のアタマは先の事や過去の事を考え、少しでも余白があると、今度はお昼ご飯のこと、締め切りのこと、子供のお迎えのこと、週末プランのこと、ソーシャルメディアのこと、、、常に“今”ではない時の事を考えています。
        スローダウンして「間」を楽しむということは、“今”、この瞬間を客観的に認識すること。ゆっくりと息を吐きながら、今ここにいる自分を消化し、次に繋げる。スローダウンは、これからの自分をより強く、より安定したものにする、一種のセルフケア。
        ワークショップ
        金網つじで使われているもの。この工具も手作りなのだとか。無心に編んでいく手作業は、瞑想に近い。
        ワークショップ
        急須を持っていなくても、ゆっくりと茶葉が開くのを見てお茶をいただけるように開発された、金網つじのサークルティーディフューザー。
        ヨガでも最後のシャヴァーサナポーズが実は一番難しいように、現代人にとって「間」を余白のままにスローダウンして楽しむって、なかなか至難の業。それが“お茶を淹れる”という身近なプロセスで、無理なく出来るとしたら、、、素晴らしいですよね!
        ゆっくり「ホッ」と一息つくことをリマインドしてくれるお茶。ぜひ皆さんも、食器棚の奥にしまっていた急須をとりだして、「間」を楽しむメディテーション、試してみてはいかがですか?
        集合写真
        Reporter : ROSE
        LA在住のNeutralist(ニュートラリスト)。運動、食、遊び、ファッション、日々の生活を通して自身が「心地よい状態」でいられる事を目指しています。
        ヨガインストラクター World Yoga Alliance YTT200認定。Yinヨガ認定インストラクター。
        Reporter : ROSE
        Photos by: SSNRS