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        No Rain, No Rainbow
        人が変わると自然も変わる

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        ダイビング
        地球の神秘を伝え続ける写真家、高砂淳二さんが贈る “No Rain, No Rainbow”。海や森の生き物、色とりどりの花々や虹など、自然の魅力を余すところなく捉えた作品と共に、皆さんを新たな冒 険へ誘います。地球の息吹を感じ、美しさを知り、共に学んでいきましょう。
        No Rain, No Rainbow
        人が変わると自然も変わる
        長年ダイビングをしていても、海にタンクを背負って潜っている時にたまたまイルカに遭遇したことなどはほぼないに等しい。そりゃそうである。イルカは目が見える上に、音波を発してその跳ね返りで辺りを“見る”という技も使っているから、こちらからかれらの姿が見えなくても、かれらにはこちらの姿はとっくにお見透しなのだ。わざわざ野生のイルカが、泡をボコボコ吐いて泳ぐ怪しい生き物に近づいてくる訳はない。しかし先日、タヒチのランギロア島というところでダイビングしていた時に、なんとイルカがわざわざこちらにやって来てくれたのだ!そればかりではない。次のダイビングでも、さらに次のダイビングでも現れてくれ、しかもなんと、ダイバーにお腹を見せて“撫でて”と言わんばかりに近づいてくるではないか!
        以前から、ランギロアでダイビング中にイルカがときどき出没する、という噂は聞いてはいた。しかしまだ警戒心もあり、仲良く遊ぶまでには至ってないようだった。タヒチではクジラもそうだけれど、海上で見かけても最近は強引に追いかけまわしたりせず、イルカやクジラの気持ちを優先しての関係を心がけてきたという。そんな人間の変化に合わせるように、動物たちの警戒心が薄れ、今ではイルカが撫でてもらいに来てくれたりするまでになったようだ。人が変わると自然も変わるのだ…。イルカの子どもがはしゃぎ過ぎて僕にぶつかってきた時の、ゴムボールのような弾力が今も体に残っている。
        高砂淳二 Junji Takasago
        写真家。1962年、宮城県石巻市生まれ。熱帯から極地まで、地球そのものをフィールドに撮影活動を続けている。国内外で写真展多数開催。TBS「情熱大陸」、NHK「スイッチ・インタビュー」をはじめ、テレビ、ラジオ、雑誌等のメディアや講演会などで、自然の大切さ、自然と人間の関係性、人間の地球上での役割などを幅広く伝え続けている。「この惑星(ほし)の声を聴く」「night rainbow」「PLANET OF WATER」など、30冊あまりの著書を発表。ロンドン自然史博物館「Wildlife Photographer of the Year 2022」自然芸術部門で最優秀賞を受賞。海の環境NPO法人OWS(The Oceanic Wildlife Society)理事。
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