カモフラージュ・かくれんぼ – Camouflage Hide and Seek
環境を観察して、自然にとけこもう - Page.2 隠れるものを作る
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- 2022.2.24 THU
後半は、子どもたちに手を動かしてもらって隠れるためのアイテムを作ってもらいました。家にあるようなちょっとしたものに貼ったり、切ったり、塗ったり、もしくはそのまま使ってみたり。
”見えているけれど見えていないかくれんぼ”は、隠れる物陰を見つけるよりも、周囲の環境がどんなものであるかを読み込み、どうしたら自然の風景に馴染めるのかを考えます。
どんな植物が生えていて、どんな色で、どんな繁茂具合か(季節によっても変わりますね)。人間の眼をごまかすような要素は何か、太陽の光はどうか。そして、いま自分が着ている服は何に馴染むか。お母さんの上着を借りたらどうか、持っているものは使えないかなどなど。
かくれんぼを通して、そこにある環境と自分の距離や関係を発見すること。隠れた人を見つけることを通して、風景の個性や違和感、自然と人工の関係に気づくこと。そんなことができるかもしれません。
カモフラージュに協力してくれた方々
スタイリングは、劇団「快快 /FAIFAI」や辻󠄀本知彦と森山未來が立ち上げたユニット「きゅうかくうしお」のメンバーで、チェルフィッチュや杉原邦生、金氏徹平などの衣裳スタイリングを手掛ける衣裳家の藤谷香子さん。金氏徹平さんが、今回のために木と石のカモフラージュスカーフをデザインしていただきました。写真は、濱田英明さんです。
芝生シートを使ってみる
50cm各くらいのちいさな人工芝の芝生シートをもって風景に馴染むことはできるでしょうか。寝転がって自分にかぶせたり、座って壁のようにしたり、全部緑色になることで風景に馴染むことはできるでしょうか。
枯葉でカモフラを作る
冬は枯葉地面を覆い、集められて山になっていたりもします。透明のレインコートにスプレーのりや両面テープで枯葉を貼り付けます。地面をゴロゴロしたり、葉っぱをかけあったり、作る工程もたのしい。
汚れた風景になる
公園の中にあった物置なのか、謎のトタン小屋がありました。サビや汚れがあったので、大きなランドリーバッグをスプレーで汚したり、先程使った芝生シートを貼ったり、造花をくっつけたりして、不思議なエイジング処理された隠れ蓑を作っていました。
変な生き物がいます。
切ったり。
刺したり。
古びたトタン小屋とスプレーで色付けした雰囲気に親和性があります。捨てられた袋がこうやってあってもおかしくない感じがします。
置き忘れた傘(の陰に)
よく置き忘れてしまっているビニール傘、透明であれば葉っぱを貼ったりしてもよさそうですが、たまたま緑色だったのでそのまま植栽の緑に紛れてみています。
光りが強いと透明ビニールが反射し、意外と中が曖昧にしか見えません。遠目には傘があるなとは気づきますが、人は角度によって見えなくなっていました。
光や風景を取り込む
キャンプや緊急避難時に使うアルミのエマージェンシーシェルターをかぶる。光や風景が反射する水辺の側で同じように反射させることで風景に馴染んでいます(よね?)。
いかがでしたでしょうか。
まだまだ他にもいわゆるカモフラ柄のミリタリー服を着るというストレートなやり方から、春先なら花柄のワンピースを着てお花畑や花屋さんに紛れたり、全身真っ黒な服でビルの谷間に入ったり、最近増えたオーロラ色のビニール傘も何かに使えそうです。
完全な擬態を目指す方法はもちろんですが、いかに風景に馴染むか、紛れるかを狙う場合、それは無理でしょうという素材が意外な役割を果たすこともありました。
色はもちろん、光や影のバランス、光の反射や風景の映り込みも要素のひとつです。違和感のある場所にもうひとつの違和感として加わるというのもありかもしれません。
すでに家にあるものだけでも、手を加えてもいろいろな遊び方ができるはずです。
みなさんのカモフラージュかくれんぼのアイディアや実践もぜひ教えて下さい。