2001年8月生まれ

　クライミングジムを経営するクライマーの両親のもとに生まれた奥村優にとって、登ることは生活の一部。物心つく前に登りはじめ、家族旅行のようにクライミングツアーへ出かけては目標のルートに挑んできた。
　わずか13歳でフランスCeüseにあるDures limites(8c)に成功。国内のグレード体系では5.14bに相当するハードルートは、当時の奥村にとって手ごわく、12歳のとき一度敗退している。そのときの登れずに帰国しなければならない悔しさや、翌年の完登に向けてトレーニングに励んだ日々が忘れられない。
　2020年、2月にはスペインのOlianaでPapichulo（9a+）を完登。最後にリードクライミングの自己最高グレードを達成してから4年の月日が流れていたこともあって、奥村は大きなプレッシャーを感じていたが、リードの練習量を増やすことで克服。現地では暑さや雨などに悩まされつつも、これもなんとか解決しての成果だった。
　環境に恵まれ順風満帆に見えるが、限界を押し上げるためには努力を惜しまない。クライミング以外の趣味らしいものはなく、暇つぶしにテレビを観るくらいだという奥村は、生粋のクライミングマニアだ。