Alfio Tommasini, VIA LACTEA
アルフィオ・トマジーニ/VIA LACTEAスイスアルプスの南に位置するティチーノ州を拠点に活動するアルフィオ・トマジーニによる「VIA LACTEA」は、アルプス山脈やその麓の丘陵地帯などで酪農に従事する人々が過ごす冬の暮らしと雪や霧に覆われた風景を収めた作品である。中央ヨーロッパ人が離乳後に乳糖を消化するのに必要な酵素を獲得し始めたのは今からわずか7500年前であった。そして、初期の農耕集落から生まれた近代的な意味での酪農は最終的に文明となり、寒冷で土地も痩せていることが多い山間地域の厳しい気候条件下でも人類の居住を可能にした。厳しいアルプスの山肌、乳牛を世話する酪農家、納屋、さらには牛乳の品質や人工授精に係わる研究所など、この作品に収められている光景は、自然選択によって人類が偶然獲得した酵素による進化の過程であり、変化と機械化が与える人間と動物、土地との関係性の視覚的な探求なのである。
GALLERY
アルフィオ・トマジーニ
Alfio Tommasini
ティチーノ州を拠点に活動。人々の暮らす土地との関係やその適応、変容をテーマに作品を制作している。近年では、Sony World Photography Awardsの現代問題部門での第3位受賞や、Prix Photoforum Pasquart(スイス)とHead On Photo Awards(オーストラリア)のファイナリストに選出されるなど、世界的に注目を集めている。WEBSITE
Instagram @ ruairidhmcglynn
Date: 2022/4/5
Photography: Alfio Tommasini
Profile Picture: Photography by Patrizia Belotti
Text: SUB-AUDIO Inc.