Janelle Lynch, Another Way of Looking at Love

「Another Way of Looking at Love(愛を見るもう一つの方法)」はジャネル・リンチが2015年の春から3年間に渡って制作したシリーズ作品だ。8x10の大判カメラという手法で撮影された写真群は、私たちが注意深く周囲を観察し、(そして、偶然に恵まれなければ、)目撃することは叶わないであろう、自然のささやかな神秘と春夏秋冬のライフサイクルを映し出している。この作品はRadius Booksからモノグラフとして出版されており、冒頭に添えられている、レベッカ・ソルニットからの引用である、「How long does it take to see something?(何かを見るのに、どれくらい時間が必要か?)」という一文は、目まぐるしい日常を過ごす私たちに、本当に全てを見ることができているのか?、真実を目にするために必要なものは何か? あるいは、目には見えないことを見ることはできるのか?といった、思索的な問いと、この作品への向き合い方を提示する。愛を見るもう一つの方法――それは、日常のタスクから距離をとり、空想に耽り、物事を見ながら何も考えない時間の中で、世界との繋がりを感じることにあるのではないだろうか。