Michael Schnabel, Stille Berge
ミヒャエル・シュナーベル/Stille Berge薄闇の夜空の中で朧げに浮かぶ厳格な山々の風景。幻想的かつ崇高なその景色には、白昼とは異なる静謐な空気が漂っている。ドイツ人フォトグラファーのミヒャエル・シュナーベルによる「Stille Berge(静寂な山々)」は、スイス、フランス、イタリアなどからアルプス山脈の山々を撮影したシリーズ作品である。被写体である山以外の要素をできるだけ排除するため、作品は新月に限りなく近く、薄い雲が星の光を遮る夜に狙いを定め、1時間ほどの長時間露光によって製作される。雪や氷、岩稜帯などのディテールは、黒からグレー、白への繊細な濃淡の階調によってきめ細やかに表現されながらも、光による陰影のコントラストや色彩が取り除かれたこの作品は、山そのもの存在との対峙や瞑想的な体験へと私たちを誘う。
GALLERY
ミヒャエル・シュナーベル
Michael Schnabel
1966年生まれ。現在は南ドイツを拠点に活動。これまでに数多くの権威ある国際的な写真のアワードを受賞し、ロサンゼルス、パリ、チューリッヒ、ミラノ、ハンブルグにて個展を開催するなど、世界的な評価を集めている。また、この作品群をまとめた写真集『Stille Berge』は、その年にドイツ国内で出版された最も優れた書籍の1つとして選出されている。
WEBSITE
Date: 2021/11/25
Photography: Michael Schnabel
Text: SUB-AUDIO Inc.