Ruairidh McGlynn, The Middle Land
ルアリ・マクグリン/The Middle Land「The Middle Land」はルアリ・マクグリンが2014年から製作を続けている、ヒマラヤ山脈とカラコルム山脈に挟まれたラダックの風景を検証するシリーズ作品である。この土地は、かつて、東チベットと西カシミールを結ぶ交易路の重要な中継地として栄え、インドで最も文化的に多様でありながら、世界で最も人口密度が低い地域のひとつとなっている。高所の砂漠、荒々しい岩肌、雪に覆われた山脈といったピクチャレスクな景観。16世紀に建てられた宮殿や今でも徒歩でしか立ち入ることができない僻地に佇む仏教僧院(ゴンパ)といった、かつての文化の痕跡。険しくも延々と続く山沿いの車道やそれに沿って張り巡らされた電線に象徴される現代の僻地における文明の拡張。さまざまな文化、時間、アイデンティティ、記憶の断片が混在するイメージ群は私たちに自然との共生の方法の思索を問いかける。
GALLERY
ルアリ・マクグリン
Ruairidh McGlynn
1986年生まれ。スコットランドを拠点に活動。人類によって変化した風景のドキュメンテーションを通じて、自然と人類の関係性を探究する作品を発表している。これまでに、PDN emerging Photographer、Condé Nast Traveller、Time magazine、Vogue Paris、if you leaveやiGNANTなどさまざまなメディアで注目を集め、ニューヨーク、マイアミ、ロンドンのグループ展にも参加。WEBSITE
Instagram @ ruairidhmcglynn
Date: 2022/2/10
Photography: Ruairidh McGlynn
Text: SUB-AUDIO Inc.