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NATURE ACTIVE people #01

矢吹沙樹(THE NORTH FACE Sphere)

「NATURE ACTIVE」は、“日常生活と自然の境界線をなくしていく”をコンセプトに掲げた、新しいコレクション。地球環境に配慮した自然素材を使い、ファッション性も重視したアイテムを展開します。そんなブランドの世界観を体現する女性とは。東京、原宿にあるTHE NORTH FACE Sphereのショップスタッフとして勤務する矢吹沙樹さんが、ランニングと親しむライフスタイルについて語ります。

走り続けることで一変したライフスタイル アウトドアに興味があっても縁遠かったり、スポーツに親しんでも辞めてしまう人は少なくない。長距離のランニングがライフワークだという矢吹沙樹さんも、学生時代は運動部に所属していたが、ライフスタイルの変化で運動をしていない期間があったという。

「ソフトボール部では市の選抜に入るなど、がっつり部活動をしていました。その後、高校生時代はソーラン節同好会に所属、ヨガスタジオに通ったりはしていたのですが、前職のファッションブランドに就職してから運動をあまりしなくなり、20代後半で始めたランニングもダイエットがきっかけでした」

当時通っていたスポーツジムのトレーナーの勧めで走り始め、徐々に距離を伸ばしていき身体が慣れていった。2019年には、はじめてフルマラソンに挑戦。途中で歩き4時間かかった反省点はあったものの、気づけば走ることに夢中に。走る目的も痩せることから、自分の身体と走ることへの好奇心になっていた。

「モチベーションを保つために、様々なレースにエントリーしています。走りきった達成感が気持ちよくて、一人で出場することも。レース前日は、炭水化物を多めの食事をしてエネルギーを溜めて、整体に行って日頃の疲れをとります。念入りにストレッチをして眠りにつくんですが、気持ちいい緊張感とどんな新しい世界が待っているか楽しみでなかなか寝付けないという(笑)」

山の手線沿線でストレッチの後、ランへ
必需品はランニングソフトボトル
リカバリーの際も〈Nature Active〉を身につけて
THE NORTH FACE Sphere のIGNITE YOGAの様子

2022年には、「横浜マラソン」で2度目のフルマラソン、そして「柴又100K~東京⇔埼玉⇔茨城の道~」で100km走に挑戦した。

「コロナの影響で十分な準備ができず、100kmを走る前日までに、最長30kmまでしか走れていなかったんです。なので、完走は諦めていて70kmくらい走れたらいいかなと思っていたんですが、いざ走り出すと『やっぱり完走したい』という気持ちが芽生えて。50km超えて膝が曲がりにくくなりつつも、なんとか完走できました。とても嬉しかったですね。次の日は仕事でしたけれど(笑)」

脚の熱がしばらく引かず回復に時間がかかったが、走ることは嫌いにならなかった。むしろ、走ることの奥深さに気づき、より興味が湧いたと語る。「100kmいけたから、もっといけるんじゃないか」そんな考えも頭をよぎった。

日常生活と身近な自然をつなぐランニング
ランニングライフを謳歌する矢吹さんの勤務地は、原宿のど真ん中。ほとんど自然らしい自然がない環境だが、住まいは都内から少し離れた埼玉県だという。走りたい気持ちが高まって、勤務地から自宅までの35kmの距離を“帰宅ラン”したことも。

「最近は、朝起きてすぐ川沿いを走ることが日課。6時ごろから走り出して太陽が昇っていくのを感じるのが好きなんです。朝の静けさや匂いも好き。季節や天気によって全然違うんですよ。夏だとみずみしさと爽やかさがある。自然の中から住宅地に帰ってくると、朝ごはんを作り出す音や匂いがして、人の気配を感じると今日も1日が始まるんだと思うんです」

時間があるときに自分のペースで走れることが何よりの喜び。走っている最中は、街や自然など景色の変化を楽しむ。また、走ることで自分の内面やフィジカルに対する気づき、取り巻く環境への理解や新たな人との出会いにも繋がっているという。

ヨガで心身を鍛えリカバリーをする 矢吹さんが走るときに常に頭の中に置いていることは、“自分の身体と相談して走ること”。レース前後の身体のメンテナンスは、できる限りまめに行うようにしているそうで、THE NORTH FACE Sphereの店舗で定期的に開催されているIGNITE YOGAのセッションに参加している。

「ヨガは身体の柔軟性や体幹を鍛えられたり、筋肉のストレッチや呼吸法など、心身のリカバリーにも効きます。長距離走るときは、精神面も大切。落ち着いて取り組めるのは、ヨガのおかげだと思っています。1日を気持ち良く締めくくれるので、気に入っています」

夜だけ開催されSphereの店舗で定期的に開催されているIGNITE YOGAのセッションは、都会の喧騒の中にいながら予約さえすれば誰でもすぐに参加できる。光を落とした非日常的な雰囲気のなか行う、基本的なヨガのフローからポーズ、メディテーションに身体がほぐれて心が落ち着くのだそう。

最後に、矢吹さんに今後の展望について聞いてみた。
「THE NORTH FACE主催のトレイルレース『FUJI』で100マイル走(165km)に挑戦してみたい。海外のレースにも興味があります。あとはフルマラソンのタイムを縮めたいですね。トレイルとロード、緊張感は同じ。どちらも味わい尽くて新たなステップにしたいです」

▼記事に登場した “日常生活と自然の境界線をなくしていく” をコンセプトに掲げたコレクション