Journal.05 STAFFS’
ACTIVITY STYLE

ショップスタッフたちの
リアルアクティビティ

アイテムを身にまとい、自身のアクティビティを楽しむショップスタッフたち。
そのリアルな経験があるからこそ、アイテムとユーザーを繋ぐことができるのかもしれない。
ここではそれぞれのアクティビティを追求する
全国各地のショップスタッフたちを追いかけてみた。

FAST PACKING ファストパッキング

STAFF
岩男浩平
STORE
THE NORTH FACE
昭島アウトドアヴィレッジ店
STAFF
藤田大輔
STORE
THE NORTH FACE
原宿店
STAFF
鵜野貴行
STORE
THE NORTH FACE
FLIGHT TOKYO

荷物の軽量化を図り、
自身のアクティビティを
長時間楽しむ

昨今の機能的かつ軽量化を追求したウェアやギアの進歩がめざましく、より早く進むことを望んだハイカーと、より長い距離を目指したランナーの思いが“ファストパッキング”という名で具現化されている。その魅力はなんと言っても自由度。身軽になったことで移動の時間が短縮され、自身のアクティビティを長時間堪能することを可能にさせてくれたのである。今回はそんなファストパッキングを用いた1泊2日の旅を追いかけた。メインカット右に写る原宿店勤務の藤田の目的は渓流釣り。「川魚は非常に神経質なので、自然と一体化しないと釣れない。そのためにも人があまり立ち入ってないエリアを探さないといけないから、荷物はなるべく軽量で動きやすいのが重要。

さらに山道だけでなく水の中も歩くので沢登りの準備も必須ですね」。続いて、メインカット左に写る昭島アウトドアヴィレッジ店勤務の岩男はクライミングも楽しんでいた。「色んなアクティビティに興味があって渓流釣りもするけど、そういう場所に行くと登りたくなるスポットがけっこうあるんですよ。クライミングは単純ゆえに奥が深いし、体ひとつでシンプルに楽しめるから、やるたびに良い刺激を受けます。ただ荷物が重くなってはやりたいことが中途半端になってしまうので、ファストパッキングはいつも意識しています」。
最後に、メインカット中央に写るFLIGHT TOKYO勤務の鵜野。普段はトレイルランニングを楽しんでいるが、今回は初の渓流釣りに挑戦。「経験がなかっただけにワクワクしたし、楽しめたから今後もふたりに連れていってもらいたい。また、合間の時間を使って走ったんですが、同じ山や森の中かもしれないけど新しい発見があったり、感動的な風景との出会いがあったり、やはりトレイルランニングは面白いなって思いましたね」。それぞれのアクティビティを追求する3人が集っただけに、夜が更けるまで各々の思いを語り合っていた。

BACKCOUNTRY
SKIING
バックカントリースキー

STAFF
田村忠士
STORE
THE NORTH FACE+
サッポロファクトリー店

雪山を知り、攻略することで
描ける最高のシュプール

整備されたゲレンデではなく、降り注いだ雪そのままの山を自分の足で登り、滑降するバックカントリースキー。数十分の滑降時間に比べ、登山時間が何時間もかかる雪山やルートもある。「確かにバックカントリースキーは、滑りを楽しむ時間よりも、そこへ至るまでの過程が長いアクティビティです。夏のうちに山へ入って、近くから観察し、登山経路や滑降ポイントを下調べすることもあります。それをもとに本番である冬の雪山を2時間以上かけて登るんですが、いざ滑る時になって予定していた滑降ルートを急遽変更することも。それでも、すべてはまだ誰も滑っていない雪原に自分が思い描いたシュプールを残すためにやっているんです。滑り終わった後に山を見上げて、イメージ通りのシュプールが描けた時は感無量なんですよ」。 “雪山をキャンバスに自分の轍を残す”、そのために惜しまない夏から始まる下準備。それを苦にも感じさせない魅力が白銀の雪原には広がっていた。

自宅のガレージには、テントやブーツなどの数々のアウトドアアイテムが並ぶ。やはりその中でもバックカントリースキーの相棒である、スキー板のメンテナンスは欠かせない。4本持っているスキー板のうち、お気に入りはK2のもの(写真左から二番目)。
アウトドアライフに欠かせない愛車は、昭和53年式のJEEP。キャンプの際はテントやシュラフ、スキーの際は板やウェア類など、しっかりと積載できるサイズ感が魅力のひとつなんだとか。 
バックカントリースキーを十二分に楽しむためには、事前の地形調査が必要不可欠。アタックする山を決めたら、周辺の地形図を使って登山経路や滑降ポイントにあたりをつける。コンパスを使って地形を読み解く作業は、バックカントリースキーにおいて入山前の重要行程だ。 
冬が本番のバックカントリースキーだが、夏の間に山に入ってであたりをつけた滑降ポイントの確認を行うことも。山頂まで上がり、本番である冬に向けて滑降ルートを念入りにイメージする。

ROCK CLIMBING ロッククライミング

STAFF
川原晶子
STORE
THE NORTH FACE+
アミュプラザ長崎店

未知との遭遇と語る
岩壁との出会い

ロープ、ハーネス、クライミングシューズを身にまとい全身を使って、岩壁をよじ登るロッククライミング。その中でもアルパインクライミングは登山の中でも最もコアなスタイルであり、登山道のように決まったルートを登るのではなく、よりシビアなラインを見出し、それを攻略するアクティビティだ。「両親の影響で山登りを始め、辿り着いたのがクライミング。確かに室内ではないのでリスクはあるんですが、長く遊びたいので無理はせずに自分の体作りとして楽しんでいます。ただ、岩と向かい合って次の一手を考えている瞬間は生きてるなってすごく感じる。自然の物だから日々変化するので、出向くたびに未知との出会いがあり、それを登りきった時の達成感はやっぱり格別。そういう体験ができるから、お客様にクライミングをやりたいという人がいた時には自分なりのギアが提供できるよう準備しています」。登山という形で自然と向き合う彼女の姿は生命力に溢れていた。

僅かな窪みやでっぱりに指や足をかけて全身を持ち上げていくロッククライミング。そのルート探しはまるで迷路を手探りで進むような感覚で、体だけでなく脳もフル回転させて登っていく。 
ロッククライミングはクライマー(登る人)とビレイヤー(クライマーの安全を確保する人)の2人一組で行うアクティビティ。下山時に登山道を使って降りる事もあるが、岩場によっては懸垂下降を行う場合もあり、登るのとはまた違った視界を楽しむことができるのが魅力。ただ、事故の原因にもなり得るので、登山前からのロープワークの復習は欠かせない。
ロッククライミングにおいて、もうひとつ大事な装備がチョークバッグ。チョークは主に炭酸マグネシウムで作られているので吸水性に優れており、手指が汗で滑ってホールドから落ちるのを防ぐ役割を果たしてくれる。
スポットまで目指す時に急勾配な山道を登っていかなくてはならないケースもある。そのために荷物はなるべくコンパクトにまとめることを心がけているのだそう。
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