Buckminster Fuller’s likeness reproduced with the courtesy of The Estate of R. Buckminster Fuller
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二十枚の正三角形と十二枚の正五角形から成る立体の名称。Geodome 4は、この準正多面体の形状をベースに設計されている。立体の辺に沿って弧を描くように配置されたポールとテント幕で自立しつつ、強風時にはワイヤーを用いたテンションネットワークが耐風構造として作動し、風の力を分散させる。
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建築基準法で定められた、居室の最低天井高。アウトドアで使う「ねぐら」で済むものを、あえて一般の住居の天井高にこだわったのは「住居は任意の場所へ移動させることができるべき」という、フラーが描いた理想的な生活スタイルを実現する狙いがあったからだ。従来のドーム型テントは半球形ゆえにフットプリントの半径までしか確保できなかったが、半球以下の部分まで立ち上がらせることによって、より高い天井を設けることに成功した。
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フラーがダイマクションと呼び、4Dタワー住宅をはじめとする多くの発明に活かされたのが「より少ないものでより多くを成す」というコンセプトであった。Geodome4は、強度を担保するために多くのポールを必要としていた従来のドームテントの半数の6本のポールだけで空間を生み出すことが可能な設計となっている。それによって軽量性に優れ、組み立ても容易なテントが生まれた。
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網目状の連続した引っ張り部(張力=テンション)と非連続の圧縮部分(圧力=コンプレッション)の相互作用によって整合性(インテグリティ)を維持する構造を、フラーは「張力統合体」(テンショナル・インテグリティ)球と呼んだ。素人にはテンションの調整は無理である。過度なテンションを加えると強度が低下してしまう。テンセグリティが抱えるこれらの課題をGeodome 4は具体的な実装案で克服し強風時に働いて大幅な耐風性能を高めている。Geodome 4の正五角形の面に設置したワイヤー補強構造は、テンセグリティ理論を実用的な観点から研究した成果物である。
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平面あるいは曲面上の任意の2点を結ぶ最短距離を「測地線」(ジオデシック)という。球面を一周する測地線のなかでも完全な大円*のみからなる球面多面体がジオデシック多面体で、その弧を弦(線分)に置き換えて地面に置いたものがジオデシック・ドームの基本的な形状となる。この構造は高い強度を持ち、最少の表面積で最大の空間をつくることができる。線分で構成される正十二面体型のドーム構造の原理に関する特許を取得したフラーはジオデシック社を設立し、数多くのジオデシック・ドームを製作した。 *大円とは、球の中心を通る平面で球を切ったときの切り口の円周。地球を球と見立てるならば赤道にあたる。
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1963年に発表した自著「Operating Manual for Spaceship EARTH」(邦題『宇宙船「地球号」操縦マニュアル』)のなかでフラーは地球を宇宙船に例え、人類が直面している様々な問題解決の方法をデザイン・サイエンスの観点から前向きに提示した。「この地球には資源もエネルギーも充分すぎるほど存在する。ただ使い方が悪いのだ。より少ないもので、より多くのことを成す技術を用いれば、欠乏などということは、まやかしに過ぎないとわかるだろう。考え方を変えるのだ。思考の限界を打ち破るのだ」この考え方は1970年代前後に反体制的な運動に参加した若者たちの共感を集めた。
- ◯ バックミンスター・フラーのジオデシック構造とテンセグリティ理論を改善した独自構造。
- ◯ 2.1メートルの天井高と快適な居住空間、軽量性と耐風性を実現した 4人用ドームテント。
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ドームテントには珍しい、半球以下の部分まで立ち上がらせた設計により、4人用のコンパクトなドーム(直径3m)でありながら天井高2.1mを実現。人が立って活動できる居住性を確保した。
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12本のポールを複雑に組み上げる2METER DOMEと比べてGeodome4は格段に設営しやすくなった。 1. スリーブに5本のポールを通す。 2. ドーム型に立ち上げる。 3. 赤道沿いのスリーブに6本目のポールを通し、ポールにフックをかける。 上記手順でテント本体を立ち上げると、あらかじめテント本体に固定されているワイヤーが張られ、センターポストがインナーシートに対して垂直に起立。これによりテンションが程よく効いた状態となり、強風時に全体構造に寄与する仕組み。
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ポールの数を6本に抑えることで重量を軽減させ、テンション構造を張り巡らせることで風速約26m/sにも耐えられる強度を獲得した。自重を支えるポール部材を減らし、ワイヤーに置き換えて独自のテンションネットワークを形成したことにより、軽量化と構造合理性も実現。
Geodome 4
NV21800
本体価格 ¥180,000+税
[収容人数]4名 [平均重量]11.07kg [フロアサイズ]230×218cm [フロア面積]4.12m2 [高さ]210cm [出入り口数]1 [ポール本数]6 [収納サイズ]73×26cm [素材] キャノピー/75Dリップストップポリエステル フロア/150Dポリエステルオックス10,000mm PUコーティング フライシート/75Dポリエステルタフタ1,500mm PUコーティング [原産国]中国 [特徴] 半球以上の天井高と独自のワイヤー構造をとり入れた 新しいジオデシック・ドームテント • 6本のポールで設営できるジオデシック構造による球体ドーム • 強度をアップさせる6カ所のワイヤー構造 • ストレス無く行動できる2.1メートルの天井高 • 9角形で防水性も高いバスタブ構造のフロア • 5個のメッシュ付きウィンドウ • 単体でも使用可能な4つのリムーバブルオーガナイザー • 5カ所のメッシュポケット • クイックオープン機能を持つ2カ所のトップベンチレーションウィンドウ • テンショナー付きハンギングライナーコード • フルシームされたフライシート • 大型ダッフルスタイルの収納袋 • DAC製ステーク • ガイライン