●San Francisco 1966
1966年、サンフランシスコ・ノースビーチ地区にザ・ノース・フェイスの一号店がオープンした。
冒険家のダグラス・トンプキンスが開業したクライミングやハイキング、山スキーのための道具を扱うプロショップ。その店に並んだアイテムのひとつに既にマウンテンパーカと呼ばれる商品はあったが、ザ・ノース・フェイスのオリジナル商品としてマウンテンパーカが販売開始されたのは、それから4年後の1970年のことだった。
ポリエステル60%、コットン40%の混紡素材を表生地に使用することで濡れと蒸れを防ぐ性能を備えたブランドオリジナルのマウンテンパーカは、クライミング、ハイキング、ヨット、スキー、釣りにも適した万能タイプのアウターとして人気を博し、以後約20年に渡って定番商品としてカタログに、その名を残すことになった。
ところで、マウンテンパーカが多くの人に愛用されていた頃のアメリカには、どんな風が吹いていたのか?
過去に出版されたカタログや書籍を手がかりに、主にアウトドア・スポーツや自然環境にまつわる出来事に焦点を絞りながら、その答えを探ってみたい。