ザ・ノース・フェイスのフライトシリーズは、トレイルランニングにおける頂上商品のカテゴリー。語源はFAST&LIGHT。さらにCOMPACTであること。
100kmや160kmといったウルトラトレイルの舞台において最高のパフォーマンスを引き出すためのアスリートキットである。日本の開発チームの手により、アスリートと同じ目線でのモノ作りが行われ、選手たちのフィードバックや開発者自身のフィールドテストで得た知見を取り入れているのだ。
そして2019年からは、富山県に開設されたゴールドウイン テック・ラボでの研究開発をスタート。モーションキャプチャーや3D計測といった先端テクノロジーを駆使し、アスリートと共にさらなる高みを目指せるよう、フライトシリーズもそのまた向こうへ。
開発者がこだわった5つのポイント
暴風雨のなかを走っても必要以上にバタつかず、かといって頬に貼りつくほどタイトでもストレスになる、という鏑木選手のリクエストを受けミリ単位で調整しました。
傾斜をつけたトレッドミルで走るフォームをモーションキャプチャーで解析。やや前傾になることが判明したので、その角度を数値化してパターンに落とし込みました。
実際にアスリートに供給するジャケットでは、鏑木選手自身のウエストサイズに合わせた特注サンプルを製作。ラボと工房が隣り合う環境を最大限に活かしています。
従来のショーツが若干肌に貼りつくとの要望を受けて生地を刷新しました。性質の異なるナイロンポリマーを複合したストレッチ素材で、軽さと肌離れのよさがアップ。
アメリカ本国のコロラドにも研究開発の拠点がオープン。グローバルのアスリートと共同開発したザ・ノース・フェイス独自のアウトソールEXTSを採用しています。
アップデートさせ続けたい
開発の新たな羅針盤に
トレイルランナー 鏑木毅のこだわり
フライトシリーズは「トレイルランニングのことをすべてわかっている人が作っている」という印象です。ウルトラトレイルでは機能性が担保されていることはもちろん、一方で軽く、しなやかなモノが好ましい。これは相反する要素ですが、絶えずアップデートを続けることでどんどん理想へと近づき、もはや理想を超えてすらいる気がします。常に高みを目指すのがアスリートという生き物なのですが、それに応えてくれるシリーズ。開発者とアスリートの思いが一致している。だからこそ暴風雨のなかや、砂漠や氷河といった極限のシチュエーションでも安心して身を預け
フライトシリーズは「トレイルランニングのことをすべてわかっている人が作っている」という印象です。ウルトラトレイルでは機能性が担保されていることはもちろん、一方で軽く、しなやかなモノが好ましい。これは相反する要素ですが、絶えずアップデートを続けることでどんどん理想へと近づき、もはや理想を超えてすらいる気がします。常に高みを目指すのがアスリートという生き物なのですが、それに応えてくれるシリーズ。開発者とアスリートの思いが一致している。だからこそ暴風雨のなかや、砂漠や氷河といった極限のシチュエーションでも安心して身を預けられます。今回はさらにデータとして改良の
られます。今回はさらにデータとして改良の裏付けを得られたことで、その信頼関係がより強固になったと感じます。
アスリートってわがままですから、修正のリクエストも非常に細かいですよ。たとえばレインジャケットのジッププル。単に軽いだけのプルだと走っているときにペタペタと上下動することがあります。ウルトラトレイルで極限まで追い込んでいるシチュエーションではその些細なことがストレスになって、心のバランスを崩すきっかけになる。そんな細かいリクエストにもしっかり応えてもらってい
裏付けを得られたことで、その信頼関係がより強固になったと感じます。
アスリートってわがままですから、修正のリクエストも非常に細かいですよ。たとえばレインジャケットのジッププル。単に軽いだけのプルだと走っているときにペタペタと上下動することがあります。ウルトラトレイルで極限まで追い込んでいるシチュエーションではその些細なことがストレスになって、心のバランスを崩すきっかけになる。そんな細かいリクエストにもしっかり応えてもらっています。2019年の夏、再び世界最高峰の舞台で
ます。2019年の夏、再び世界最高峰の舞台である「UTMB®」を走るのですが、50歳でUTMBをというのは、じつは長年思い描いていた夢でした。だから開発者の皆さんがこの夢にのってくれたようにも感じています。その想いを受け止め、支えてもらいながら、この挑戦へと向けて突き進みたい。苦しい局面になっても、きっとフライトシリーズのウェアが守ってくれると思います。
ある「UTMB®」を走るのですが、50歳でUTMBをというのは、じつは長年思い描いていた夢でした。だから開発者の皆さんがこの夢にのってくれたようにも感じています。その想いを受け止め、支えてもらいながら、この挑戦へと向けて突き進みたい。苦しい局面になっても、きっとフライトシリーズのウェアが守ってくれると思います。
鏑木毅 1968年生まれ。群馬県出身。2009年に世界最高峰のウルトラトレイルレース「UTMB®(3ヶ国周回、170km)」にて世界3位に輝く。また同年、全米最高峰のトレイルレース「ウエスタンステイツ100マイル」で準優勝、2016年「ウルトラフィヨルド」で準優勝など、アジアウルトラトレイル界のレジェンド。
2019年夏、50歳でUTMB®に再挑戦するプロジェクトNEVERを進行中。