探検と自然を愛したダグラス・レインズフォード・トンプキンスがダウンヒルスキー用品のショップとしてサンフランシスコのノースビーチ地区にザ・ノース・フェイスをオープンしたのは1966年のこと。その2年後、1968年にダグラスから会社を引き継いだケネス・“ハップ”・クロップは自社製品の開発を志し、試行錯誤の末に3型の寝袋と、インターナルフレーム構造のリュックサックを完成させました。そして、そんな寝袋づくりのノウハウを活かして生まれたブランド初のアウターが“シエラパーカ”、後に“キャンプシェラ”と呼ばれるダウンジャケットです。実は開発当初、このジャケットには内包する羽毛量と保温性が異なる2つのタイプが存在し、比較的ライトなものはシエラセーター、より防寒性に優れたモデルはシエラパーカと、名前を変えて区別していました。ベトナム戦争が終局に向かいつつあった当時、軍のサプライヤーからパラシュートに使われるはずだったリップストップナイロン生地を入手することができ、それを再利用する形でつくられたこれらのアイテム。それは流通しているどのジャケットよりも軽量で、大自然の奥へ奥へと進むことができる装備を求めて開発されたものでした。実際にその性能は当時革新的で、製作者たち自身もその出来栄えに惚れ込んだと言います。
探検と自然を愛したダグラス・レインズフォード・トンプキンスがダウンヒルスキー用品のショップとしてサンフランシスコのノースビーチ地区にザ・ノース・フェイスをオープンしたのは1966年のこと。その2年後、1968年にダグラスから会社を引き継いだケネス・“ハップ”・クロップは自社製品の開発を志し、試行錯誤の末に3型の寝袋と、インターナルフレーム構造のリュックサックを完成させました。そして、そんな寝袋づくりのノウハウを活かして生まれたブランド初のアウターが“シエラパーカ”、後に“キャンプシェラ”と呼ばれるダウンジャケットです。実は開発当初、このジャケットには内包する羽毛量と保温性が異なる2つのタイプが存在し、比較的ライトなものはシエラセーター、より防寒性に優れたモデルはシエラパーカと、名前を変えて区別していました。ベトナム戦争が終局に向かいつつあった当時、軍のサプライヤーからパラシュートに使われるはずだったリップストップナイロン生地を入手することができ、それを再利用する形でつくられたこれらのアイテム。それは流通しているどのジャケットよりも軽量で、大自然の奥へ奥へと進むことができる装備を求めて開発されたものでした。実際にその性能は当時革新的で、製作者たち自身もその出来栄えに惚れ込んだと言います。すべてのサイズに同じ長さのジップを使い、スナップボタンにはロゴがなく、染めを均一にすることが難しかったためブラウンのものは“アース・トーン”とあえて曖昧に呼称していたという少し大雑把な制作秘話からは、ブランドが成熟する以前の彼らの葛藤と奮闘ぶりがうかがえます。
シエラパーカが初めて掲載された、1970年のカタログ。初期はフロントポケットにフラップが無く、ラグランスリーブだった。1.9オンスのリップストップナイロン生地を使っていて、全体の重量は1ポンド4オンス(約567グラム)との記載が。
その後もこのジャケットは展開され続け、名をキャンプシェラと改めたり、生地をコットン混ポリエステルのベイヘッドクロスへとアップデートしたりと変遷を続けながら、長きにわたってアウトドアフリークたちから愛されてきました。そして2019年、キャンプシェラは生地をリサイクル可能なポリエステル生地へ、中綿をダウンにも劣らない保温性とダウンに近い表情を持つ高機能なちぎり綿、プリマロフト®ゴールド ラックスへと変え、その長い歴史に新たな1ページを加えます。
すべてのサイズに同じ長さのジップを使い、スナップボタンにはロゴがなく、染めを均一にすることが難しかったためブラウンのものは“アース・トーン”とあえて曖昧に呼称していたという少し大雑把な制作秘話からは、ブランドが成熟する以前の彼らの葛藤と奮闘ぶりがうかがえます。その後もこのジャケットは展開され続け、名をキャンプシェラと改めたり、生地をコットン混ポリエステルのベイヘッドクロスへとアップデートしたりと変遷を続けながら、長きにわたってアウトドアフリークたちから愛されてきました。そして2019年、キャンプシェラは生地をリサイクル可能なポリエステル生地へ、中綿をダウンにも劣らない保温性とダウンに近い表情を持つ高機能なちぎり綿、プリマロフト®ゴールド ラックスへと変え、その長い歴史に新たな1ページを加えます。
翌、’71年のカタログでは、当時は別売りだったフードもラインナップされている。
「キャンプシェラにはたくさんの思い出があります。まだ、このジャケットをベイエリアだけで販売していたとき、私が滞在先のロンドンでバスに乗っていると、そこに偶然シエラパーカを着ている人がいたんです。私はその人がどこから来て、どこでそれを買ったのかを聞かずにはいられませんでした。聞けば彼は以前アメリカ西部でヒッチハイクの旅をしていて、その途中にサンフランシスコのあたりで買ったとのことでした。そのとき、私はたとえどれだけ小さくてもザ・ノース・フェイスはすでにグローバル企業なのだと感じたんです。当時、趣味がアウトドアのTNFチームは仕事終わりにビールを飲みながら、どうすれば世界を変えられるのか、自然の奥深くへ行けるような軽量な装備をつくれるのかと、いつも話していました。私たちは常に自問自答していて、例えばジャケットの外側にロゴを付けるかどうかについて、何年も議論を繰り返したりしていました。外側にロゴを付けることで見た目が悪くなったり、商業的な物になったりしてしまうんじゃないか? という風に。もちろん、今となってはロゴの入らないジャケットは想像がつかないですけどね。今までも、これからもザ・ノース・フェイスはアウトドア好きたちによる、アウトドアのためのブランドです。私たちはいつだって見た目にこだわった製品をつくってきましたが、我々の服は常にエキップメント、つまり装備であり、製品についての最終決定をするとき、見た目を重視するために機能性を犠牲にすることは絶対にありません。アウトドアの装備こそが、ザ・ノース・フェイスのデザインや信念のルーツです。どんな環境下でもちゃんと機能し、健康なライフスタイルを提供し、野外や自然の素晴らしさに感謝できるような製品こそが、私たちにとっては魅力的なのです。単に新しいものを追うことには関心が無かったし、革新的であっても機能しないデザインにも興味がありませんでした。一生使える製品をつくることは、単にリサイクル素材を使う以上に環境責任を果たしていると信じていましたし、品質を下げるような計画には満場一致で反対しました。シエラパーカを開発した当時、私たちは汎用性の高いジャケットをつくろうと試みていました。ダウンは雨や雪に長時間さらされ、濡れた状態だと機能性を失ってしまうことにも気付きましたが、当時はダウン以外にあれほどの保温性を持った素材が無かったので使用を続けていました。もしもあのとき、他に替わる素材があれば、大自然の中で着用者を守るための要としてその素材を追求していたでしょう。今となっては、機能性やパフォーマンスはそれ自体が独自のファッションにもなるという私たちの考え方は広く受け入れられるようになりました。次世代の環境を意識した人々にとって、それがますます魅力的になることと信じています。もちろん、誰もが最良の商品を求めているわけではありません。また、誰もがそれを買えるわけでもありません。だけど、もしもそれを望み、余裕があるのであればキャンプシェラこそが、あなたが選ぶべきものなのです」
ケネス・“ハップ”・クロップ
1942年生まれ、ワシントン州出身。創業時からザ・ノース・フェイスの1号店に通い、その後同社を買収、以降'88年までCEOを務めた。現在のロゴは彼の就任後に生まれた。
The memories are many. When we were only selling in the Bay Area I fondly remember being on a bus in London and seeing someone wearing one of the Sierra Parkas and had to ask them where they were from and how they had found the jacket. The guy who had it said that it was something he had bought when he was in the SF area while hitchhiking through the western United States. To me that told me that no matter how small we were, we were THEN an “international company.” The brainstorming (if you can call it that) was really a lot of the TNF team who were outdoor’s people drinking beer after work and talking about revolutionizing the world, reducing the weight of gear so people could go miles into the wilderness, not just a few hundred yards as campers. We kept asking ourselves, “does a logo on the outside make it look ugly and commercial?” Of course today we cannot imagine a jacket without the logo on the outside. The primary thing which has and will always differentiate The North Face is that it is made by outdoors people for the outdoors. Our initial products were all “equipment” (think sleeping bags, packs and tents) and we have always thought of our clothing as equipment. Yes, we always strived to make our products look good, but when the final product decisions were made we would never, ever compromise the performance just to make it look good. Our beliefs and our designs always were rooted in making equipment. What was attractive to us was making products that worked well in any conditions and which facilitated a lifestyle based on health and wellness and an appreciation of the majesty of the out of doors. We were never interested in chasing new colors, just because they were new. We were never interested in producing designs that were revolutionary but didn’t work. We truly felt that a product that lasted a lifetime was even more environmentally responsible than one that used recycled materials. We were all uniformly opposed to planned obsolescence. (When Sierra Parka was born,)We were trying to make an all purpose jacket but found that sometimes down got wet and lost its functionality when one was in the rain or snow too long. We stayed with down for a long time because nothing else had the heat retention characteristics, but if there had been we would have pursued it to allow our consumers the maximum protection for exploring—wherever exploring would take them. Our belief which we see playing out so widely now is that function and performance is a fashion of its own and one that is and will be increasingly attractive for the emerging, environmentally conscious consumers. Not everyone wants the best. Not everyone can afford to buy the best. But if you do want and can afford it, the Camp Sierra is what you should buy.
Kenneth “Hap” Klopp
創業以来、アウトドアフィールドと向き合い続け、共存するためのウェアや装備をつくり続けてきたザ・ノース・フェイスは、そんな敬愛する自然環境への負荷を減らし、人と地球に優しいものづくりに取り組んでいます。ブランドを象徴するアウターのひとつであるキャンプシェラでは、素材を生地・中綿ともにポリエステルにすることで、100%リサイクルが可能になりました。表地のポリエステル自体も再生された素材です。もちろん循環素材だけでなく、半世紀以上続くスタンダードなデザインや高い性能も、今後長く愛用していく上での大きな安心感となるはずです。ザ・ノース・フェイスを展開するゴールドウインでは、世界63ヶ国で古着や靴の回収事業を行うI:Collect(アイコレクト)、通称I:CO(アイコ)と日本環境設計によるプロジェクト、BRING(ブリング)と手を組み、“グリーンサイクル”の名の下に廃棄されたペットボトルや衣類などの再利用を進めています。
ザ・ノース・フェイスの旗艦店をはじめとするゴールドウインの特定店舗では、着古したポリエステルやナイロン素材の服を質や状態に関わらず回収し、寄付やリユース、ケミカルリサイクルを行っています。もちろんゴールドウイン製品以外も対象で、回収後に分子レベルまで細かく粉砕されたそれらの素材は、石油から精製するものとほぼ同等の高純度な原料として生まれ変わり、そこからつくられる生地が新たな服となり、また新たな愛着を育むのです。枯渇の危機に瀕している化石燃料だけに頼らずに、すでに世の中にある製品から永続的に新しい製品をつくることができ、エネルギーの使用量とCO2の排出量を大きく削減できるのもケミカルリサイクルの大きな利点です。アウトドアに親しむすべての人々が、いつまでも愛せる地球であるために。ずっと着続けたいと思える製品をつくるために。1966年に始まったザ・ノース・フェイスの探検は、これからも続きます。
01.“グリーンサイクル”プロジェクトに該当するプロダクトには、内側にその仕組みを示すグラフィックが。
01.“グリーンサイクル”プロジェクトに該当するプロダクトには、内側にその仕組みを示すグラフィックが。02.ロゴを象ったジップタブは長年続くディテール。グローブを着けたままでも摘みやすく、開閉しやすいのが特徴。03.リップストップ構造のポリエステルは薄くて軽く、耐久性にも優れている。機能性は進化しつつ、さりげないレトロさも覗かせる。
02.ロゴを象ったジップタブは長年続くディテール。グローブを着けたままでも摘みやすく、開閉しやすいのが特徴。03.リップストップ構造のポリエステルは薄くて軽く、耐久性にも優れている。機能性は進化しつつ、さりげないレトロさも覗かせる。
- PI / BK / BT / PP / K
- S / M / L / XL
- ¥44,000 - (+Tax)
- 15D Poly Rip Light with DWR(ポリエステル100%)
〈中綿〉PRIMALOFT® GOLD LUXE
Insulation ECO(ポリエステル100%)
フラップを設けた大きなフロントポケットや取り外しが可能なフードなど、オーセンティックなディテールはそのままに、素材を新たに生まれ変わったヘリテージモデル。
- BK / BT / K
- S / M / L / XL / XXL
- ¥25,000 - (+Tax)
-
15D Poly Rip Light with DWR(ポリエステル100%)
〈中綿〉PRIMALOFT® GOLD LUXE
Insulation ECO(ポリエステル100%)
気候や気温が不安定な環境下での汎用性が高いシャツタイプ。アウターとしてはもちろん、適度なロフト感によりミドルレイヤーとしても取り入れやすいつくり。他のモデル同様に、はっ水性も備えている。