Genta & Yūkyō IshiharaISHIHARA NURSERY

Wearing Flower Logo Hoodie & Crew

地球や自然を相手にすること。

花や野菜の苗の鉢植えを生産する山梨県中央市にある石原園芸。創業者の石原有亨さんからバトンを受けとった玄太さんは、新しいことにも試行錯誤を繰り返す。コウモリランなどの観葉植物や、アーティチョークといった野菜、それにドライフラワーを作る施設までも。自然を相手に、時間の流れを楽しみ、そして対峙する覚悟をした玄太さんは大らかだった。

GENTA ISHIHARA
GI
THE NORTH FACE
TNF

(TNF)

先ほど「今年は寒かったのでミモザの花がうまく育たなかった」……とおっしゃっていましたが、その諦めというか“仕方ない”ものとして付き合うことに割り切ってる感じがすごいなと思いました。

(GI)

まぁまぁ悔しいですけどね。ミモザに関しては、今年がここ数年なかった低温で枯れてしまいました。初めて植えたのでまだまだわからないことが多く。ここが標高の低い盆地だったらおそらく乗り切ることができたかもしれないんですが、こればかりはどうにもできないことです。昨年学んだことを、今年は対策しアップデートするしかありませんよね。日々勉強です。

(TNF)

おそらく今回出演いただいた8名の中でもっとも直接的に自然と共生し、生活しているのが石原園芸さんなのかもしれません。園芸家ならではの四季との向きあい方についてはいかがでしょう。

(GI)

石原園芸は基本的に施設園芸と言いまして、温室を中心に花を育てている場所です。それは安定して生産するため。ただそうは言っても平年並みの気候ならいいのですが、去年だったら夏に結構雨が降り、日照時間も少なかった。ビニールハウスなどの施設があろうと、日照時間をコントロールできないですし、気候も調整できません。特に昨年の秋は、皆さんも感じていたかもしれませんが、短かかったですよね。そして暑かった。暑いと思ったら、急に寒くなり、雪が降りはじめて……。こうした変化に、植物も影響を受けて、いつもの時期に咲くのが1、2週間ずれたりは、当たり前のことだと思っています。

(TNF)

タイミングがずれるとニーズがガクッと減ってしまうお花もありますからね。そう考えると繊細なお仕事です。石原園芸さんの場合は、一株単位で勝負しているわけではないですし。

(GI)

そうですね、万単位ですね。

(TNF)

例年よりも日照時間が少ないだけで、ダメになってしまう。

(GI)

ダメにはならないですよ。ただ日差しがあると、例えば鉢物の植物には、締まるんですね。ダラダラとしないと言いますか。そうしたリスクをできるだけ軽減するための設備です。でも最近石原園芸でも、自家菜園用の野菜苗をはじめたり、切り花用の畑を作り、お花屋さんで売れる切り花も作り始めました。昨年は梅雨が長く露地栽培は湿気でダメになってしまう花も多かったです。ただこのように石原園芸は、専門的に例えばハーブだけをとか、花苗だけに特化しているわけではありません。それもリスクマネージメントの一つといえば一つなのかもしれません。ただ、全部が全部うまく育ったという年は絶対ない。やっぱ何か一つ、今年ちょっと売れなかったなとか、失敗したなとかはあります。

(TNF)

園芸農家の“うまい”、または“ヘタ”っていうのはどういうところにあるんですか?

(GI)

それも場所によって異なります。新種改良に力を入れている農家さんもあります。だけども石原園芸の場合は、たくさん花が咲く苗を育てるとか、購入した人が長く楽しめるかとかを理想として苗を育てています。

花や植物も、どんな人が、どんな場所で作ったものなのかを知ってほしい。

石原園芸

(TNF)

それは種を買ってきてパッとできることではないですよね。いろいろ研究を積み重ねていき……。

(GI)

一つの植物でも、タネから育てると最低3ヶ月はかかりますし、先程撮影していたクランベリーも2年かかりました。新しい花を育てるにしても、1〜2年間はトライアンドエラーです。3、4年かかる花もあります。10年ぐらい作っているとようやく花のことが理解できるようになるって感じですかね。それだけ長い間作っていても気候の変化もあるので、当然うまくいかないことはあるのですが。

(TNF)

自然を相手にし、植物のことを考えると休めなくないですか?

(GI)

“考える”というよりも世話ですね。普通に毎日水をあげないと元気がなくなってしまう。それに一週間分を一度に上げることもできないので。

(TNF)

まさに赤ちゃんと一緒ですね。

(GI)

そうですね。「なんだこの仕事は!」って思ったこともありましたが、考えれば僕たちと同じ生き物なのでね。

(TNF)

先ほどの自家菜園用の苗であったり、ハーブであったり、コウモリランなどの観葉植物など、色々とチャレンジしています。それにドライフラワーの施設も最近作っていましたが、あの場所を作ろうと思ったきっかけを教えてください。

(GI)

生花は短命な生き物です。天候もありますし、マーケットのニーズもあるので、当然ロスが多い。土に還して肥料にすることはできるのですが、せっかく育てたものです。何かに別の形でみなさんに持って帰っていただけないかと思って、あの場所を作ることにしました。

(TNF)

私たちが日常的に花に触れる場所と言えば、お花屋さんであったり、ホームセンターのような施設ですが、石原園芸がこれからやっていきたいことはなんですか?

(GI)

石原園芸ではオープンアトリエのような、直接お客様をウェルカムする取り組みなども今後は行っていきたいと考えています。こうした取り組みを増やしていき、市場に出荷するだけでなく、もっとお客様と繋がることをしたいと思っています。口にする野菜であれば、「○○さんが作っています」というのも当たり前のように見れるようになりましたしね。花でも同じことを実現したいですね。

(TNF)

着るものも同じですよね。ブランドのタグも野菜でいう生産者さんの顔と同じ意味を持っているものなのかもしれません。

(GI)

そうだと思います。ザ・ノース・フェイスが作っているものであれば、安心して着られるという人はたくさんいると思います。今回のCO2を削減する取り組みも、このブランドだからこそ説得力があると思います。私たちも、どんな人が、どんな場所で作ったものなのかをやっぱりたくさん知ってもらいたいですし、安心して買っていただきたいなと思います。インスタグラムのアカウントも作ったりと、これからはどんどん私たち発信でやっていかないといけないことなのかなと思います。

石原園芸さんについてもっと知りたい場合はishihara_nursery

Product

FLOWER LOGO CREW
¥11,000

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1981年に山梨県中央市に創業した石原園芸。その創業者が石原有亨さん。創業以来、40年近く、自然と向き合いながら花を育ててきた。撮影当日「気持ちのいい服だね」「こんなズボンでいいのか?」と心配そうに話す有亨さんだったが、苦難の道程を物語る顔のシワに、フラワーロゴクルーがより一層かっこよく見えた。またチャーミングな笑顔が印象的だったが、カメラが向くと一変。有亨さんのフォトジェニックな姿に、写真家のデイビットは夢中にシャッターを押し続けていた。

FLOWER LOGO HOODIE
¥12,100

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「園芸をしていて嬉しいことはなんですか?」という問いに「こうして私たちがやっていることに興味を持っていただき、取材していただくことです」と答えるのは、有亨さんからバトンを受け継ぎ現在の石原園芸代表を務める玄太さん。玄太さんが撮影で着用したザ・ノース・フェイスの黄色の長靴は「これとかどうですか?」と玄太さんからの提案だった。「ザ・ノース・フェイスが昔から大好きなんです」という言葉からも涙が出そうになった。

CO2 Emissions Reduction

本プロダクトから削減できた二酸化炭素の排出量

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