“次のステージ”=セカンドキャリアでも、日本スポーツクライミング界の顔であることは変わらず、クライミングの普及に尽力する日々を送る。
「目標はいろいろあって、今年はユース大会を開催する予定です。地元の龍ヶ崎と連携を取りながら、世界的なジムを日本に作りたいですし、国際大会も開催したいですね。大きなことをするには人もお金も必要で、みなさんの応援が大切な後押しになってくるので、まずは自分が応援していただける活動を積み重ねて、日本クライミング界の未来につなげていきたいです」
自らが充実したセカンドライフを送ることで、後進の選手たちのロールモデルになることも自覚的だ。
「クライミングの普及活動は、現役中から情熱を持ってやってきたつもりです。それは、競技者ではなくなった今も変わりません。クライミングの場合も他のマイナースポーツと同じく、選手がセカンドキャリアを築くのが本当に難しくて、私の先輩でコンペで活躍していても、引退後にプロ活動を積極的にやっている方はほとんどいないんですよね。たとえば日本で人気の野球なら、メディア活動以外にも、少年野球の指導者やアスリートのサポートなどさまざまな道が開けているのですが、まだまだクライミングは、世界的な大会に出ていないと厳しいのが実情なんです。それでも、競技を問わずセカンドキャリアで活躍しているアスリートの方々にお話を聞く機会が増えて、40歳、50歳になった時のイメージが以前より持てるようになりました。まずは自分が道を開いて実績を積み、セカンドキャリアにおいてもスポーツクライミング界で“第一人者”と言っていただけるようになっていきたいです」