はじめまして。植物療法士の南上夕佳と申します。
これからフィトテラピー(植物療法)にまつわるコラムを担当させていただくこととなりました。心身を健やかに整えるための選択肢のひとつとして、皆さまにお役立ていただけるような記事を書いていけたらと思っていますので、どうぞよろしくお願いいたします。
まずは、自己紹介を。
私がフィトテラピーに出会ったのは25歳のとき、当時ストレスフルな生活をしていたことで生理が止まり、様々な不定愁訴に襲われていたときでした。疲れやすく、眠れない、寝起きが悪く、やる気も起きない。それに加え抜け毛や、動悸、皮膚や粘膜の乾燥、寝汗・・と挙げたらきりがないほどの辛い症状。病院に行くのを後回しにしていたのですが、心の不調も感じてきて、心療内科が頭によぎったときに、まずは婦人科の血液検査を先に行うことにしました。
そこで告げられたのは「若年性更年期」という聞いたこともないものでした。女性ホルモンの一つであるエストロゲンを分泌するためのホルモンが0.1以下と発覚、それは50代の閉経した女性と同じ状態であるということでした。
すぐに化学的なホルモン療法を勧められたものの、私はなんとなく自然な形でこの症状を良くする方法があるはず!と思い、出会ったのがフィトテラピーでした。私はフィトテラピーを学び、実践することで、どんどんと症状が良くなり、生理も再開するまでに回復し、今では二児の母に。
どんな女性も少なからず不調を抱えつつも仕事や家事をこなしながら日常を過ごしていて、年代によっても悩みは様々。どんなきっかけで私のように体調を一気に崩すかは分かりません。
そんな頑張る女性に、フィトテラピーの知識をお守りのように持っていてほしいと願い、啓蒙活動を続けています。
そもそもフィトテラピーとは、ギリシャ語で「植物」を意味する「フィト・phyto」と「療法」を意味する「テラピー・therapy」という言葉で、ヨーロッパに古くから伝わる伝統療法です。
植物の薬理効果を用いて病気の予防やケア、不調のケア、美容、出産や介護、スポーツまで広く活用されています。ヨーロッパ諸国では、医療の中に植物療法が取り入れられていたり、ハーブだけを扱う薬局「エルボリステリア」が存在します。
特に女性は生理やPMS、更年期などのシーンで使えるものがたくさん!これから少しずつご紹介していきますね。
今回のテーマは「生理(月経)」
生理と聞くとどんなイメージでしょうか?
痛い?憂鬱?面倒くさい?嬉しい?私にとって生理は1か月の成績表のように受け取っていて自分の生活や体調を振り返ります。ホルモンバランスや食事、ライフスタイルが生理に直結していくので、女性は毎月チェックできる機会を持っているということになります。
25歳以降で生理痛や生理不順、PMSがある場合は、ケアが必要なサイン!
生理周期は25日から38日まで様々ですが、毎月決まってその周期で来ることが望ましいとされています。
もし上記の症状がある人は、次のフィトテラピーケアをおすすめします。
▶レディースマントル
女性ホルモンの一つであるプロゲステロンに似た働きをして、女性ホルモンバランスを整えてくれます。葉の形が聖母マリアのマントに似ていることから名付けられました。またエストロゲンに似た働きをするスクラレオールという精油成分も含むので、生理不順や生理痛に悩む方におすすめ。
生理痛が起きてしまった場合は…
▶ラズベリーリーフ
生理痛は子宮の過度な収縮によるものなので、子宮まわりの過緊張をほどいて子宮まわりの強壮ができるラズベリーリーフを温かいハーブティーで飲みましょう。
▶ラベンダーの精油
痛みがあるときには、ラベンダーの精油をキャリアオイルとよばれる植物油(ホホバオイルなど)に希釈してお腹まわりと仙骨(骨盤の中央あたりにある手の平くらいの大きさの骨)に塗ることで痛みが和らいでいきます。これは、ラベンダーに含まれる鎮痛成分がじんわりと皮膚から吸収されて痛みを抑えてくれます。
メンタル的な不調には…
▶メリッサ
メリッサは別名レモンバームというハーブで、ミツバチという意味を持ちます。メリッサは女性ホルモンの一つであるプロゲステロンのような働きをしながら、緩和なトランキライザー(精神安定)の役割も持っていることから、イライラや落ち込みに効果を発揮します。
生理前2週間くらいから生理が始まるまでの期間、飲むのがおすすめです。
生理にまつわるお悩みは、ケアを続けると早くて翌月から、数か月以内には変化を感じるものが多いのでぜひ試してみてくださいね!
南上夕佳
植物療法士/ Femtech Institute代表
20代に若年性更年期障害に襲われホルモンバランスを崩したことをきっかけに植物療法専門校「ルボアフィトテラピースクール」にてAMPP(フランス植物療法普及医学協会)認定資格を取得。日本における植物療法の第一人者森田敦子氏に師事し、共に啓蒙活動を行う。
フィトテラピーで女性ホルモンからくる不調を改善した自身の体験を活かし、女性のライフステージに合わせた健やかな美しさと幸せをテーマに、数々のセミナーやカウンセリングを行う。ルボアフィトテラピースクールの副代表を経て、現在は独立。
自分のからだをきちんと知ること、整えることの大切さ、そして女性が自身と向き合いながら植物で心身を整える方法をオンラインスクールFemtech Instituteにて伝えている。著書に「自然ぐすり生活」(ワニブックス)がある。