じめじめとうっとうしい日が多くなるこの時期。梅雨が明ければ一気に猛暑、酷暑となり、この時期、暑さによる不眠や食欲不振、エアコンの影響で冷えや肩こり、便秘などの不調を抱える人も多いのではないでしょうか。
夏はやっぱり、身体にとっては過酷な季節。かといって、室内でじっと暑さをやり過ごす…なんてこともしたくないですよね。
そこで今回は「夏も心地よく、機嫌よく過ごす」をテーマに、ヨガインストラクター・アーユルヴェーダヒーリングコンサルタントのNAOさんに、日常でできる様々な知恵、おすすめのヨガや呼吸法について教えていただきました。
DANSKINアプリでも2回目のご紹介となる「アーユルヴェーダ」。
アーユルヴェーダとは、身体を健康に保ちながら、より心地よく過ごすための知恵が詰まった学問。ヨガとは“姉妹関係”にある科学とで、ヨガで精神を、アーユルヴェーダで肉体を健康にするとされます。
今回お話を伺ったNAOさんも、ヨガの指導者として学ぶ中でアーユルヴェーダに出会い、「アーユルヴェーダの教えには、日常に活かせる知恵が詰まっている」と実感。
現在もアーユルヴェーダヒーリングコンサルタントの資格を取得し活動しながら、学びを継続中とのこと。アーユルヴェーダでは学び続ける、正しい知識を得ることを大切にしているのだそう。
そんなNAOさんに、今の時期、体調面で気をつけたいことを聞いてみると、「夏は消化力が落ちる時期なんです」との答えが。
確かに、気温の乱高下や不順な天候で体調を崩しやすい時期ですが、なぜ梅雨や夏が近づいてくると消化機能が低下するのでしょうか。
「太陽のエネルギーが高まる(=気温が上昇する)と、大地や空気が照らされ乾燥します。私たち人間の身体も同様に、太陽に照らされて乾燥することで体力を消耗します。中でも、健康の土台となる消化力(=“アグニの火”が正常であることが心身の健やかさを保つとされる)が弱まることで、胃腸の不調も起きやすくなるんです」とNAOさん。
では、弱り気味の消化機能を整えるにはどうしたら良いのでしょうか。
そこで役に立つのが「グナ」の教え。「アーユルヴェーダでは、“重い⇔軽い”のように、相反する性質の組み合わせで世界が成り立っていると考えます。こうした相反する性質のことを「グナ」と呼びます。
グナは温性⇔冷性の他にも油性⇔乾性、緩慢性⇔鋭性、柔性⇔硬性など、全部で10組20種類あり、グナの仕組みを理解することで生活の質を整え、体調のバランスを取ることができるようになります」とNAOさんは言います。
暑ければ身体も活動的になると考えてしまいがちですが、アーユルヴェーダの知恵を知っていれば、「停滞気味の身体をフラットに戻すには?」「これ以上悪化しないようにするには?」と、不調を予測したり、予防のために対策を立てることができるようになります。
そこで夏に実践したい体調管理として、NAOさんがおすすめするのが「舌苔の除去」と「適度な運動」
消化機能が低下すると、『アーマ』という未消化物が発生し、アーマが身体の中に溜まると病気の原因になると考えられています。アーマが多く発生する人は、舌の上に白い粉のような老廃物(=舌苔)が溜まるので、この舌苔を取り除くことが病気の予防になります。
タングスクレーバーは、殺菌作用のある銅製のものなら衛生的にも安心。朝起きてさっさっと3〜5回ほど軽く舌掃除をしましょう。ぜひ朝のルーティーンとして取り入れてみてください」。
そして、もう一つの「適度な運動」は、血流を促し、胃腸をはじめ内臓機能を整え、アグニを健やかに保つのにも効果的です。散歩やヨガがおすすめとのことで、今回はドーシャ別に、より効果が高まるアプローチ方法を教えていただきました。
※「ドーシャってなに?」という人は、下の記事で自身のドーシャ特性を把握してみましょう。いくつかの項目に回答すると自分の特性がわかる「ドーシャ診断」サイトなどでもチェックできます。