皆さんこんにちは!長野店の徳武です。
今回、私は新穂高温泉から2泊3日で双六岳、槍ヶ岳に登りました。
日本で5番目に高い槍ヶ岳、日本のマッターホルンと呼ばれるその山にいつか登りたい。
尖った山容を見る度に、遠くからいつか登ろうと後回しにしていました。
世の中の感染症が落ち着き、ついでに言うとおみくじで大吉を引いたことが後押しとなり、今年登ろうと決心しました。
梅雨明け直前の7月20日、新穂高温泉から左俣ルートを登り、鏡平で長めの休憩を取りました。お昼前の小屋はヘリコプターで荷揚げの最中でした。
標高が2200mを超え、池に映る山々が綺麗です。
弓折分岐から稜線に出ると谷から上がってくる上昇気流に包み込まれ、クーラーとは違う爽やかな山の風を感じました。
イワカガミやチングルマなどの高山植物が迎えてくれました。
起伏のある登山道を1時間程歩くと、本日泊まる双六小屋が見えます。
小屋の後ろに見えるのは鷲羽岳、私はここから見る景色が大好きです。
小屋に到着後、大きい荷物を小屋に置いてアタックザックに貴重品、飲み物、行動食を入れて双六岳へ。
双六岳は小屋から登り50分、下り30分で往復出来ます。
頂上からは雲が邪魔して槍の全貌は見れませんでした。
双六岳から下山中、思わぬ山の生き物と遭遇しました。
私にとってオコジョは幻の生き物でした。
雷鳥よりも警戒心が強く、雷鳥のように天気が悪くなれば遭遇する確率が上がるという事が無いのです。
ハイマツの中から素早く現れたその生き物は、リスよりも小さく、胴が長い。
そして岩から岩へと跳び回る動きは猫のようで、想像とは違いました。
私が思わず呟いた言葉は「速い・・・」でした。
オコジョの中には好奇心が強く、人間を見ても逃げない個体もいるそうです。
2日目は西鎌尾根を通り、槍ヶ岳を目指します。
時折、硫黄の匂いが風に乗ってやってきます。
両側が切れ落ちていて、色とりどりの高山植物の登山道を進みます。
千丈乗越まで来るとそれまで見えていた槍は完全に霧に覆われました。
ゴロゴロした岩の道をひたすら静かに歩くこと1時間半、
急に開けた場所に出て見上げると、そこには大きな岩山がありました。
小屋にザックを置き、ヘルメットと手袋をして岩にしがみ付きました。
山頂に続くはしごが一番怖かったです。
岩に直接取り付けられたはしごは、つま先を置くスペースがほとんど無い部分があり注意が必要です。
やっとの思いで山頂に立つと平らになっていて10名ほどが写真を撮っていました。
槍ヶ岳山荘は携帯の電波があり、ヘルメットを貸りることも出来ます。
3日目はご来光を見てから、右俣ルートを下山します。
新穂高まで標高差2000mを下ります。
下山で注意したいのが槍平小屋を過ぎた滝谷出合の渡渉(としょう)です。
ライブカメラで事前に川の水量を確認出来ます。
樹林と沢のトラバースを繰り返しながら、最後は林道に出て新穂高に戻りました。
山にお邪魔させてもらうという敬意の気持ちを忘れないように、休憩時の食べこぼしや個包装のゴミを落とさないように注意して登りたいです。
またあのオコジョに会えるように。