5月某日。当店のフィールドインフォメーションデスクを運営しているスタッフと共に、白馬のお隣大町市にある【餓鬼岳 白沢登山道】へ、登山道を整備する為の「資材運搬のボランティア」に行ってきました。
【餓鬼岳】は長野県大町市にある燕岳の北側、常念山脈の北端に位置する標高2,647mの山です。
登山道は、今回ボランティアにお邪魔した「白沢登山道」と、中房温泉が起点の「丸山新道」の2本。
どちらからの道も長く急登の連続ですが、どちらも植生の変化や眺望が魅力的な登山道です。
そして餓鬼岳の頂上には山小屋「餓鬼岳小屋」があります。
大正時代の建物を使った趣のあるたたずまいが特徴的で、元々、猟師がカモシカの密猟小屋として使っていたものを改修して使用しているそうです。
そんな餓鬼岳ですが、毎年困難が・・・
餓鬼岳は、「ガケだらけ」が転じて「餓鬼岳」になったとも云われるほど、崖が多い山として知られています。
この画像は、2020年7月の土石流災害の残骸の写真ですが、餓鬼岳では水による被害も毎年のようにあり、その度に橋が流されたり、がけ崩れが起きたりしています。
2020年の土石流が発生したまさにその日、私は餓鬼岳から下山をしているところでした。
下山後の夕立で災害が起きたのですが、タイミングが違えば・・・と思うとゾッとします。
この時の土石流では、沢沿いに崩れ落ちていた大木や大きな岩などが全て押し流され、花崗岩の砕けた砂が元々の川底から1m以上積もっている状況でした。(写真右上)
現在は徐々に元の状態に戻ってきていますが、まだ残骸はありますし、あんなに沢山いた渓魚もまだまだ・・・
現在の通行止め箇所の画像です。
斜面が崩落し、画像のように岩肌が露出。
沢底まで20mくらいの高さはあるでしょうか?
上部に生えていた大木もろとも登山道を巻き込み下の沢に落ちてしまっていました。
今回のボランティアは、登山道を整備するための資材運び。
今回運ぶ資材は・・・
短管(鉄パイプ)4m 8本
足場板 4m 3枚
餓鬼岳小屋の関係者の方が半分程、先に荷揚げしてくれていたので、想定よりも少なかったですが、それでも、約2km近くある現場まで人力で運ばなくてはいけません。
渡渉あり、梯子あり、急登あり、崖っぷちもあります。
登山道は細く、足場も良くは無いのですれ違いも困難です。
細かく区切りながら、少しずつ進みました。
中間地点の沢沿いでエネルギー補給をしながらの作業となりました。
「急登」です。斜度は40度以上はあるでしょうか?
この個所では梯子が地面に置いてあり、ステップになっていますが、砂が詰まっていてなかなか安定して作業が出来ませんでした。
普通に登っても少し緊張する足元ですが、荷物があるとなおさら緊張します。
ここは全員で慎重にバケツリレーをして何とか乗り切りました!!!
午後になるとポツポツと弱い雨が降り始めました。
林の中なのでほとんど濡れる事もありませんが、天候が悪化する前にラストスパートで荷物を運び、ついに作業終了です。
今回、私たちの受け持った作業は終わりましたが、登山道の整備の準備をしただけで、まだまだ整備に終わりはありません。
運び込んだ資材を組み立て、道を作り、ヤブを刈り、マーキングをし、崩落したヵ所の補修する。などなど、開通させるだけでも本当にすごい労力が必要なんだと再認識しました。
いつも楽しく当たり前のように歩かせてもらっている登山道も、多くの人の力があってのものなんだと痛感しました。
むやみに登山道から外れ、道を崩したり、枝を折るなどの無用な事は極力避け、長く使える道を維持していかなくてはなと思いました。
みなさんも、登山道を歩くときにはどんな道なのか踏みしめて歩いてみてください。
道を作るって本当に大変です!!!
白馬エリア周辺のフィールド情報を中心に情報を集約し、アクティビティを安心して楽しん頂けるようなプランニングのお手伝いなどをさせていただくことを目的としたサービスです。
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〒399-9301 長野県北安曇郡白馬村北城5930−1
TEL:0261-85-2855
営業時間:(夏期)11:00~19:00 (冬期)12:00~20:00
※現在、白沢登山道は崩落の為、通行不可となっています。
6月中の通行再開を目指しているということです。
登山道情報、小屋の予約などは下記番号までお問い合わせください。
餓鬼岳小屋
0261-22-2220
また、この餓鬼岳小屋にはテント場もありますが、この山は是非小屋泊をお勧めします!!
なぜなら・・・
名物「ちらし寿司」&「グレープフルーツ半玉」をいただけるからです!
急登を歩いてきた身体に、ちらしずしとグレープフルーツの酸味が染みます。
寒い日の、おでんと炊き込みご飯も私は好きですが、ぜひ餓鬼岳に行かれた際はご賞味ください!
また、先代からのこだわりで食器はプラスチックトレーは使わず、陶器のみというのも私が餓鬼岳小屋に惚れているひとつの理由です。
登山道が開通しましたら、皆さんもぜひ一度訪れてみてください!