さて、いよいよお待ちかねの《藍染》体験のスタートです。
お持ち込みいただいた《藍染》したいアイテムを、まずは水にひたして弱く絞ります。
この作業を行うのは、染料が満遍なく生地に浸透するようにするためです。
水気を切ったら、どのようなデザインにするか決めていきます。
こんなのもいいし、あんなのもいいし、でもココは汚れてるからこのシミの部分をうまく消しながら…などなど。
ここが一番の悩みどころであり、胸がワクワクするパートでもあります。
デザインが決まったらいよいよ《藍》の染料に衣類を浸けていきます。
守谷さんの《藍染》で使われるのは、守谷さんお手製の毒器と呼ばれる器です。
まるで魔女が秘薬を調合する壺の様な不思議で神秘的な独特の器。
着古した衣類は、この摩訶不思議でなんとも魅力的な器の中でみるみるうちに新しい姿へと変化を遂げていきます。
それはまるで、本物の魔法のよう。
毒器というと、その字面からはなんだか禍々しさを感じてもしまいますが、中に入っているのは100%天然藍。
ブログの前編でも触れましたが、高い薬効成分を持つ《藍》の染料で、尚且つ100%天然の藍です。
この魔法の器の中に素手を入れるのは見た目の印象と毒器という響きからはなかなか躊躇われるかと思いますが、天然藍に触れた肌は毒に侵されるのではなく、《藍》のもつ薬効成分により、健やかになるはず!!なのです。
ただ…もちろん素肌も染まります。
まるでゾンビ映画の登場人物の様な肌色が3〜4日は続きます。
不健康そうに見える肌色(見た目ゾンビなので)だけども、いつもより健やかな状態。という、なんともチグハグな状態になります。
ワークショップでは手に染料がつかない様に手袋もご用意しておりましたが、想像していた以上にたくさんの方が素手で天然藍に触れて、その感触も含めて楽しんでいただけました。
毒器の中で魔法にかかった衣類は、最初少し黄色みのある黄緑の様な色をしています。
しかし空気に触れて、酸素と触れ合いながら水で余分な染料を洗い流していくと不思議なことにみるみるうちに青みを増して、深い深い青へと変化していくのです。
毒器から出た後も、まだまだ魔法の効果が続いています。
そして最後に色止めという工程を経て、ついに!
世界で一枚だけの新しい衣類の完成です。
今回の《藍染》で魔法にかかって生まれ変わったのは、着古して色褪せた衣類、落ちない汚れがあるけど気に入っている衣類、漂白剤などにより色が抜けてしまった衣類。
あるいは自分でデザインしたオリジナルのTシャツが欲しくて、お持ち頂いた真っ白な無地のTシャツなどなど。
そのどれもが素敵で、新しい命が宿る瞬間を垣間見るのは、本当に魔法の様な瞬間でした。
絞り染めにしたり、模様を作ったり、全部を満遍なく染めたり、グラデーションにしたり…
皆さんの素敵なアイデアでどんどん生まれ変わっていく洋服たち。
《藍染》ワークショップは今回で3回目なのですが、毎回不思議なことに“失敗”というのが全くないんです。
染める前にイメージしていたものと、仕上がりが違っていても、それがまた、ものすごく素敵な仕上がりで結果オーライ!となることばかりで、染め終わった後は皆さん本当に弾ける様な笑顔になっているんです。
お気に入りの衣類を、ご自身の手で染め直してるのですから当然の結果なのかもしれませんが、それでも、ここにも《藍》のもつ不思議な力と、毒器の魔法が少なからず作用しているのではないか?と、いつも感じています。
また、一度染めると《藍染》の魅力に取り憑かれてしまい、『次はあんなデザインにしたい!』や、『家にあるあのTシャツはこんな風に染めたらもっとかっこいいかも…』といった会話で盛り上がる姿が会場のあちこちで見られるのも、このワークショップの特徴ですね。
今回のワークショップでも、《藍染》という体験を通して、THE NORTH FACEやHELLY HANSENが大事にしている【LONG LIFE】というマインドをお伝えしながら、ご参加いただいたお客様と魔法の様な素敵な時間を過ごさせていただきました。
ご参加頂いたお客様、暑い中ありがとうございました!
今後もART MORIYAの守谷 玲太氏をお迎えしての《藍染》ワークショップを定期的に開催してまいりますので、興味のある方は是非、次回のご参加をお待ちしております。
今回ご参加頂いたお客様の、リピート参加も大歓迎です。
また店頭で、あるいはワークショップの会場で皆様とお会いできるのを楽しみにしています。