秋が深まり冬を迎える今、季節の変わり目は自律神経が乱れやすくなり、女性ホルモンの乱れを感じる方も増えてきます。今回は、女性ホルモンの不調を整えるフィトテラピーをご紹介します。
女性ホルモンは、エストロゲンとプロゲステロンの二つがあり、それぞれ欠かせない役目を持ってバランスよく分泌されています。エストロゲンは3つから構成されているのですが、そのほとんどは卵巣から分泌されています。プロゲステロンも同じく卵巣から分泌されていて、排卵の前にエストロゲンの分泌が高まり、排卵後にはプロゲステロンの分泌が高まります。このバランスが乱れたり、分泌が減ったり、逆に分泌過多になることでPMSや生理不順などの様々な不調が起こるといわれています。
➤フィトテラピーとはギリシャ語で「植物」を意味する「フィト・phyto」と「療法」を意味する「テラピー・therapy」という言葉で、ヨーロッパに古くから伝わる伝統療法です。植物の薬理効果を用いて病気の予防やケア、不調のケア、美容、出産や介護、スポーツまで広く活用されています。ヨーロッパ諸国では、医療の中に植物療法が取り入れられていたり、ハーブだけを扱う薬局「エルボリステリア」が存在します。
医薬品のほとんどが、植物の有効成分を元に化学的に作られています。植物は薬の原点といわれるほど効果があり、やさしくケアできます。また女性の不調は原因不明のものやストレスから起こるものも多く、植物は一つの成分だけではなく様々な有効成分を持ち合わせていることから、包括的に女性の体をケアすることができます。
生理痛は、プロスタグランジンというホルモンが子宮を収縮して起こるものです。
その痛みを抑える働きを持つのが、「ラベンダー」や「ローズマリー」です。また血流を良くしてくれるのでより痛みを感じにくくなるでしょう。ラベンダーとローズマリーの精油を植物油に希釈して子宮回りや腰、仙骨(お尻の骨)など広く塗りましょう。
生理不順には、「レディースマントル」というハーブがおすすめです。レディースマントルは女性ホルモンのうちプロゲステロンに似た働きをしてくれます。1~2か月続けていくことで、生理の周期が整っていきます。
PMSもプロゲステロンの分泌をサポートすることで、緩和していきます。「メリッサ」と「チェストベリー」のハーブティーやサプリを活用してみてください。排卵期から月経前にかけて飲んでおくと、生理前の不快な症状が気にならなくなってきますよ。
更年期には、プロゲステロンと一緒にエストロゲンにもアプローチする植物がおすすめ。「ブラックコホシュやセージ」は植物性のエストロゲンとも言われています。プロゲステロン様作用のある「メリッサ」や「レディースマントル」とぜひ組み合わせてください。
乾燥やたるみにおすすめなのは「ゴツコラ」というハーブ。皮膚のヒアルロン酸やコラーゲンを作りだす線維芽細胞に刺激を与えるので、お肌の潤いやたるみに効果的です。飲んでもいいですし、最近はCICAとして知られています。
髪の乾燥や育毛対策としてオイルマッサージがおすすめ。「イランイラン」や「ラベンダー」、「オレンジ」の精油を植物油に希釈して、シャンプー前の頭皮マッサージすることをおすすめします。血行促進作用や、細胞賦活作用などで頭皮環境がよくなっていきます。続けることで、髪の毛のハリやうるおいが変わっていきます。
フィトテラピーなど楽しみながら日常に取り入れられるケア方法を活用して、これからも女性ホルモンと上手く付き合っていきましょう。
南上夕佳
植物療法士/ Femtech Institute代表
20代に若年性更年期障害に襲われホルモンバランスを崩したことをきっかけに植物療法専門校「ルボアフィトテラピースクール」にてAMPP(フランス植物療法普及医学協会)認定資格を取得。日本における植物療法の第一人者森田敦子氏に師事し、共に啓蒙活動を行う。
フィトテラピーで女性ホルモンからくる不調を改善した自身の体験を活かし、女性のライフステージに合わせた健やかな美しさと幸せをテーマに、数々のセミナーやカウンセリングを行う。ルボアフィトテラピースクールの副代表を経て、現在は独立。
自分のからだをきちんと知ること、整えることの大切さ、そして女性が自身と向き合いながら植物で心身を整える方法をオンラインスクールFemtech Instituteにて伝えている。著書に「自然ぐすり生活」(ワニブックス)がある。