THE NORTH FACE 3(march)では定期的に女性の身体にまつわるコラムを発信しています。
自分自身の身体について改めて理解することで今まで我慢して悩んでいたことや、不安な気持ちが軽くなるのではないでしょうか。
THE NORTH FACE 3(march)は様々なコンテンツをご紹介し、皆さんへ新しい学びと気づきの場を提供いたします。
皆さんこんにちは。THE NORTH FACE 3(march)の持田です。
今回は先日よしかた産婦人科院長の善方裕美先生をお呼びして女性の体について勉強会が行われたのでその内容を共有できればと思いブログにてご紹介させて頂きます。
みなさんは自分の体についてどのくらい知っていますか?
生理の時辛いな、苦しいなと思っても仕事や家事・育児が忙しくてひたすら我慢している方は多いのではないでしょうか。
今回は生理中の自分の気分を軽くし、セルフコントロールができるように改めて自身の体についてもっと深く知って頂ければと思います。
また男性の方にもぜひご覧頂き、パートナーや身近な女性についてより深く知って頂く機会になればと思います。
そもそも女性は一生のうち何度月経を経験するのでしょうか。
当たり前のように毎月くる生理はこの先あと何度経験していくのでしょう。
女性が初めて生理を迎える時期はここ数十年で大きく変化しており、80年前と比べると4年ほど早まっています。
80年前は16歳頃に初潮を迎え結婚後子供を4−5人産むケースが多かったので、生涯のうち経験する月経回数は約50回と非常に少なかったのです。
現在はどうでしょうか?
大体12歳頃に初潮を迎えその後出産しても平均1−2人と、出産回数も大幅に減少しています。
初潮の年齢は早まった上に出産で月経が止まる機会も減ったことで現代の女性が生涯経験する月経の回数は約450〜500回と、80年前と比べ約9〜10倍増えています。
(日本産婦人科学会監修 HUMAN +・善方先生資料より改変)
このように現代の女性は昔よりもかなり多くの月経を経験する事が分かりました。
この先ずーっと続く生理、、、
憂うつに思える方は多いと思います。
この憂うつな生理と長くうまく付き合うために、まずはただ我慢することをやめて、自身の身体をしっかりケアして普段の生活をより充実させていきましょう。
「月経困難症」と聞くと何か大変な病気に聞こえるかもしれません。
しかし実は生理中に起こる頭痛・腰痛・疲労感・下腹部の痛みなど、身近な症状もすべて「月経困難症」に当てはまります。
日本では約900万人もの月経困難症患者がいると言われています。
そのうち医療機関で治療を受けている方はそのうちの約6%(55万人)のみで、残りの94%の方は治療を受けていない事がわかりました。
治療を受けていないほとんどの方が「ちょっとくらい痛くても我慢するのが当たり前だ」
「痛み止めを飲めば大丈夫」と考え受診をせずに毎月我慢してやり過ごしています。
この記事を読んでいるみなさんの中にも、思い当たる事がある方がいるのではないでしょうか。
鎮痛剤はあくまで痛みをやわらげるものであり、根本的な解決には至りません。
上手に自分に合った治療法と鎮痛剤をうまく使って毎月の悩みを解消していきましょう。
ここでは具体的にどうやって生理を自分でコントロールしていくか見てみましょう。
月経困難症の薬はいろいろな種類があります。
代表的なものが低用量ピルです。使用されている方も多いのではないでしょうか。
ピルはホルモン薬の一種で避妊だけでは無く生理周期を整えられ、月経痛の軽減や月経不順の改善にも効果的です。
現在では最長120日まで続けて飲んで、月経の回数を年間3~4回に減らすことができるピルもあります。
ピルや漢方薬は種類が多くその人に合ったものが処方されるので、ご自身のライフスタイルや目的に合わせて選べます。
また月経痛のある方は鎮痛剤を利用される方も多いのではないでしょうか。
鎮痛剤は主に「プロスタグラジン」という痛みの原因物質の産生を抑える働きがあります。
そのプロスタグラジンが大量に生産される前、「そろそろ痛くなるかな」と思った時にすぐ飲むとよく効きくそうです。
しかし場合によっては子宮内膜症や子宮線筋症・子宮筋腫など自然治癒せずに病気が進行していくケースもあるため、とにかく我慢せずにまずは受診することが重要です。
出産を終えた女性の体が元に戻るまでにはかなり時間がかかります。
一般的に子宮が元に戻るのに約2ヶ月、骨盤は半年ほどかかると言われています。
またホルモンの影響から気分の波が激しくなるケースも見られます。
特にスポーツを楽しむ女性には産後のインナーマッスルのトレーニングがおすすめです。
骨盤ケアや授乳時に乱れた姿勢の改善に効果的です。
今回の勉強会では最後にディスカッションを行いました。
普段生活で何に気をつけているのか、アウトドア中の生理とその対策など様々な議論が繰り広げられました。
女性同士でも普段生理について話すことはあまり無く、いろんな学びや発見がありました。
それと共に私自身、自分の身体についてよく知らずに過ごしてきていたんだと気づくきっかけになりました。
日本では月経のことについて学ぶ機会があまりなく、知らずに大人になってしまう方が多いです。
また今回の勉強会の中で、子供への性教育に関して小さい頃から始めてしまった方がいいとのことでした。
実際に生理ナプキンを取り替えるところを見せる方が分かりやすいし、「お母さんから血が出てるのは赤ちゃんのベットを取り替えているのよ」といったふうに話すことでより理解も深まります。
男女共に身体の仕組みについて理解がもっと深まれば、生活がさらに充実し、職場での働きやすさもアップするのではないでしょうか。