「何よりも自分が健康で、普段から体力をつけておけば、非常時に自分の命だけでなく、他の大切な命も守ることができる」
東日本大震災の被災女性が語ったこの言葉をきっかけに、SRHR(性と生殖に関する健康と権利)を推進する国際協力NGO「JOICFP(ジョイセフ)」が2016年に発足した「ホワイトリボンラン」。このチャリティアクションでは、3月8日の国際女性デーに向けて、世界の女性のためにみんなでランニングを実施。そのエントリー費の収益全額が世界の女性の命と健康を守る活動に役立てられます。
「こころとからだ。わたしを、生きる。」をブランドメッセージに掲げ、女性がより良い毎日を過ごせるように心と身体に寄り添い続けているダンスキンは、「すべての女性が健康で自分らしく生きられる世界」を目指すホワイトリボンの活動に賛同しています。2024年はホワイトリボンラン参加者全員が着る公式Tシャツを制作。3月3日(日)には「ホワイトリボンラン2024 東京渋谷拠点」を運営し、一般参加者と株式会社ゴールドウイン社員あわせておよそ70名で、チャリティランに加えてヨガを体験できるオリジナルプログラムを開催しました。
当日は、ホワイトリボンランを主催するJOICFPの担当者と、これまでJOICFPとともに国内外で活動してきた産婦人科医・スポーツドクターの高尾美穂先生も参加。まずは開催にあたり、両者からホワイトリボンランの意義と思いをお話しいただきました。
JOICFP:今年のホワイトリボンランの支援先は、妊産婦死亡率が日本の約65倍と高いガーナです。ガーナでは、分娩可能な設備が整った保健施設が少なく、地域によっては何十キロも離れていてアクセスが難しい現状があります。私たちスタッフが現地で活動をしていた際も、片道徒歩3時間かかる保健施設に行く途中の林で、ひとりで出産した女性がいました。女性はそのまま意識を失い、翌日たまたま通りかかった住民に発見され一命を取り留めましたが、赤ちゃんは亡くなってしまいました。皆さん、もしお腹に赤ちゃんがいたとして、往復6時間かけて妊婦健診や出産のために歩いていけるでしょうか? 積極的に行こうと思えるでしょうか?
今回皆さんからいただいた支援は、ガーナの女性の命と健康を守るために、地域に寄り添う診療所を設立するために使わせていただきます。ホワイトリボンランのスローガンは「走ろう。自分のために。誰かのために。」です。このスローガンには、自分のために体力をつけ健康でいれば、大切な誰かのために動いたり、その人を守ったりすることもできるという思いが込められています。まずは自分のために、そして世界中の女性に思いを馳せながら、ランニングをお楽しみいただけたらと思います。
高尾先生:世界を見てみると日本の現状への気づきや学びがあります。私は2019年にJOICFPの活動でケニアを訪問して病院を巡り、日本のように普通に病院に行ける仕組みが整っている国は少ないんだということを実感しました。逆に、ケニアには、女性が得られる避妊方法が日本よりもはるかに多くあるということも知りました。産婦人科医である私も含め、世界中の女性のことを考えて初めて私たちの国が女性の健康課題に対してまだまだ未熟だと気づくことができる。その一方で、私たちは衣食住に困っておらず、「走ろう、誰かのために」と言える状況でもあるんですよね。
私たちが身体の機能で唯一コントロールできるのは骨格筋、つまり筋肉です。筋肉を動かすと、体温や気持ちを上げることができます。そして、自分を支えることも、他の誰かを支えることもできる。自分でコントロールできることで、自他を支えるアクションができたらいいなという思いで、皆さんはここに来てくださっているんだと思います。そのありがたい気持ちをJOICFPが世界に届けます。そして、「参加したよ」ということを周りの方々にもお伝えいただきたい。水に絵の具を一滴垂らした時に、だんだんと色が広がっていくような、そんな動きがいろんなところで起こったら嬉しいです。
両者の言葉に「走ろう。自分のために。誰かのために。」という思いを再確認しながら、早速みんなでランニング前のウォーミングアップヨガを実践。ダンスキンアンバサダーの相楽のりこさんを講師に迎え、呼吸を繰り返すことから徐々に身体を動かしていきます。30分のヨガで心も身体もしっかりと目覚め、参加者たちもランニングに向けてエネルギーがみなぎってきた様子です。
身体が温まったところで、ランニングがスタート。拠点を出発し、代々木公園を周回するコースを走りました。風光る3月の青空に公式Tシャツの「EMPOWER MYSELF」というロゴが揺れ、道ですれ違う子どもから声援が聞こえる場面も。普段から走り慣れている人から「ホワイトリボンランのために走る練習をした」というビギナーまで、思いをひとつに約5kmを完走しました。
拠点に戻ってからは、高尾先生よるアフターヨガでランニング後の心と身体を整え、すべてのプログラムが終了。参加者からは、「一人でガーナに診療所を作ることは難しいけれど、楽しく走ったりヨガをしたりしたこと、一人ひとりができることが、診療所を作ることに繋がるのがすごくいいなと思いました」という声をいただきました。
ダンスキンは、女性の心と身体、アクティブなライフスタイルをサポートしています。そして、その一人ひとりが、改めて自分に目を向け身体を動かすこと、誰かに少しでも思いを馳せることが大きなムーブメントとなっていきます。高尾先生の言葉どおり、絵の具が水に溶けていくように、女性をエンパワーメントする思いがじんわりと広がっていくことを実感するイベントとなりました。