森林や自然豊かな郊外へ行った際に、よく言う・またはよく聞く「空気が美味しい」という比喩表現がありますが、美味しい理由が存在するのはご存知ですか?
都会の空気には、二酸化窒素や粒子状物質、一酸化炭素といった汚染物質が多分に含まれているとされています。
これに対し、森林にはこれらの有害な汚染物質を排除する「フィトンチッド」という揮発成分が存在し、 この成分によって、汚染物質が浄化されていると言われています。
樹木の多い森林や自然豊かな郊外の方が「空気が美味しい」と感じる理由は、このフィトンチッドによって浄化された綺麗な空気に満ちているからなのです。
個人的には都会の空気は重く、自然の空気は軽いと感じる事が多いです。
フィトンチッドの香り成分には交感神経を整えて精神を落ち着かせる効果があるのだとか。
さて、今回はそんな綺麗な空気に満ちた長野県のキャンプ場の話をしたいと思います。
入梅前の6月中旬に「そうだ、キャンプ行こう」と思い立ち、以前より気になっていたキャンプ場へ行ってきました。
長野県南佐久郡南相木村にある立原高原は標高1,400mに位置し、周りを山々に囲まれた自然豊かな場所にあります。
長野県のキャンプ場には何度か足を運んでいるのですが、私が長野県でのキャンプを好む理由は三つあります。
まず一つ目は標高が高いキャンプ場が多い事。
この時期の朝晩は涼しく、過ごしやすい気温となります。
また、遮る物が少なく空が広い為、晴れていれば満点の星空が見られます。
この開放感がたまらなく好きなのです。
二つ目は「ひまわり市場」というお気に入りのスーパーが近くにある事。
中央道の長坂ICを降りて20分弱の立地にある「ひまわり市場」は、地域の飲食物を強く推しており、上質な野菜や肉に加えてスイーツも多く並んでいます。
決して広いスーパーとは言えませんが、その地域に根差した姿勢とバリエーションの豊富さが楽しい時間を過ごさせてくれます。
こちらの住所は山梨県北杜市なのですが、長野県へのアクセスが非常に良いのです。
三つ目は運転中に綺麗な景色が多く見られる事。
小淵沢と清里高原を結ぶ県道11号線、通称八ヶ岳高原ラインには東沢渓谷にかかる東沢橋があり、ここの景色は絶景です。
橋を渡ると駐車場があるので、休憩を挟むのも良いでしょう。
この後の坂を登り切った野辺山辺りは標高が高く涼しいので、窓を開け放して走ると気持ちが良いのです。
立原高原キャンプ場へはスーパーから1時間弱の道のりです。
このキャンプ場はゴミの分別がかなり細かいのですが、受付で親切に教えていただきました。
そのゴミもキャンプ場で全て捨てられるのは有難いことです。
今回はソロキャンプなので、使用した幕は「StormBreak 2」と「タープ」のみ。
「StormBreak 2」は、現在「Mountain Nest」という商品にアップデートされており、当店でも取り扱いがございますので、気になる方は是非店頭で確認いただけたらと思います。
このキャンプ場は、更に車を走らせると天狗山の登山口まで行くことができますので、キャンプと併せてトレッキングを楽しみたい方にもおすすめできます。
また、キャンプ場から車で7分程下った所には温泉がありますので、登山やキャンプでの汗を流す事もできます。キャンプ場の受付では温泉の割引券も配布しておりました。
標高が高いキャンプ場のほとんどは市街地から離れている為、街の明かりで星空が霞む事も無く、車の走行音等も届かない事から、静かで穏やかな時間を過ごす事ができます。
6月中旬でも気温は10℃前後になり、起毛のスウェットや薄手のフリースが必要となります。
また、夜露で草が濡れる為、防水の靴があると足を濡らす煩わしさも無いでしょう。
今回はできる限り何もしないキャンプをしたかったので朝食を抜き、コーヒーのみ。
「Wonder Stock Coffee」が私のお気に入りです。
雑味が無く程よい酸味が効いていて、後味が非常にスッキリしています。
大自然で味わう朝一のコーヒーは至上の一杯。
夜の澄んだ空気は星空を輝かせ、朝日をたっぷりと含んだ空気は虫や草花を起こし、私の肺を浄化してくれる様でした。
大自然の中に身を置く事で、それまで感じていた不安や焦燥、疲労感等がリセットされ、その身に内包する全てが洗い落とされる様に感じます。
音を見る様に、光を嗅ぐ様に、生命を聞く様に、自身の五感が研ぎ澄まされる反面で、その場に流れる静謐な時間に心が穏やかになりました。
そんな恩恵を与えてくれる自然の偉大さを改めて感じたキャンプでした。
冒頭に述べたフィトンチッドは、6〜8月に発散の最盛期を迎えます。
そういった意味でもキャンプや森林浴に最適な季節が訪れますので、この夏は皆様も自然への回帰をされてはいかがでしょうか。
では、また次回。